出版社内容情報
戦時日本のすべてを背負った男の栄光と無念。
天皇への忠誠、大東亜新秩序の理想に生きた男は、なぜ日米開戦を選んだか? 戦時日本を指導した東条英機の実像に迫る評伝小説。
鈴なりの勲章を左胸にかかげ、胸を張ったちょび髭の陸軍軍人の写真。その表情はむしろ柔和で、<カミソリ>の異名を取った男とは思えない雰囲気を漂わせている。東条英機――太平洋戦争開戦時の首相であり、戦後はA級戦犯として絞首刑になった彼の生涯を描いた本書では、そんな写真を装丁に使った。
▼「冷酷・悪辣な侵略者」のように見られがちな東条だが、それは実際の人間像とは程遠いものだ。日本陸軍の一軍人として、何より天皇の忠実な臣下として自らを任じていた東条は、むしろ40代までは軍部でも地味な存在であった。それが54歳にして陸軍次官に就任するや、まるで何かに憑かれたように権力の中枢を占め、対外強硬策を支持し始める。やがて緊迫する国際情勢のなか、首相として国家の命運を担った彼は、日本を最悪の事態へと導くだけの役割を演じてしまう。
▼戦時日本のリーダーという運命を背負った男の「光と闇」を、克明に描き出した力作小説。
●虜囚の辱め
●親子鷹
●雄飛
●流転
●疾風怒濤
●陸軍次官
●初代航空総監
●カミソリ大臣
●開戦
●敗北
●巣鴨プリズン
内容説明
太平洋戦争開戦時の首相であり、戦後は東京裁判でA級戦犯として絞首刑になった東条英機。「カミソリ」の異名をとる能吏であり、日本陸軍の一軍人として、何より天皇の忠実な臣下として、自らを任じていた東条は、歴史の表舞台に立たされるや、日米開戦の道を突き進んでいった。戦時日本のリーダーという運命を背負った男の生涯を通じ、昭和史の暗部を描き出した力作小説。
著者等紹介
松田十刻[マツダジュッコク]
昭和30年(1955)岩手県盛岡市生まれ。立教大学卒業後、新聞記者、フリーライターなどを経て文筆家に。ミステリーから戦記、評伝など多彩な分野をこなす
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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