出版社内容情報
日清戦争の連合艦隊司令長官の勇壮な生涯。
日清戦争における連合艦隊司令長官をつとめた伊東祐亨。近代国家として立ち上がってゆく日本で、「侍魂」を貫いた武人の生涯を描く。
伊東祐亨(すけゆき)、明治史をある程度学んだ人でなければ、あまり聞きなれない名前の人物である。しかし、この人こそ、実戦面における、「真の日本海軍の父」と言っても過言ではない。なぜならば、日本海軍が初めて戦った大海戦、つまり日清戦争の「黄海海戦」における連合艦隊司令長官であり、その後の日露戦争での連合艦隊司令長官・東郷平八郎の指導者である。この人物の特徴は、何と言ってもその「武士道精神」にある。幕末・維新の風雲のなかで、この人は、幼いころから培った「サムライ魂」を、いかんなく発揮して、明治海軍の精神的風土を作った。それは、実戦の場においても活かされ、敵に対しても礼節を重んじる、日本の軍隊の姿を顕現した。このことは、日清戦争後に世界に報道され、日本に対する目を改めさせたのである。亡羊とした中に厳然とした心を宿す男の人生を、本書では、海軍をこよなく愛する著者が、熱く描写している。書き下ろし歴史小説
[1]「煙も見えず雲もなく、鏡の如き黄海は」
[2]狙われる琉球と開明藩主
[3]蒸気船建造
[4]武士道「節義のたしなみ」
[5]「チェスト行け関ケ原」
[6]「飯焦がし」のよか若者 ほか
内容説明
薩英戦争に参加したことから海軍をこころざし、勝海舟、坂本龍馬らの薫陶をうけて成長、日清戦争においては日本海軍初代の連合艦隊司令長官として明治海軍の支柱となった男、伊東祐亨。彼の魅力は、幼少の頃から培われた「侍魂」にあった。近代国家の建設期という疾風怒涛の時代において、「武士の精神」を決して捨てることなく生き抜いた提督の勇壮な生涯を描き上げる長編歴史小説。
著者等紹介
神川武利[カミカワタケトシ]
昭和7年(1932)、広島に生まれる。広島大学政経学部卒業。警察庁退官後、保険会社顧問のかたわら、歴史小説を執筆
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