出版社内容情報
今もなお輝きを失わない文明批評の傑作を収録。
文明批評の名著『表の論理・裏の論理』『逆説の論理』『日本人の忘れもの』の3作から、豊さに迷走する現代日本人に贈る極上の叡知。
日本人が未だかつて経験したことのない、長く深刻な不況。国民の購買意欲は冷え切り、回復の兆しさえ見えてこない。構造改革を旗印に歩み出した小泉内閣の改革はいっこうに進まないどころか、政・官・財の癒着が内閣の足元を脅かしている状態だ。一方、金融機関の不倒神話は完全に崩れ、有名企業が消費者を欺いていたことも明るみになり、国民の不信感は募るばかりだ。日本人は、なぜこのような体たらくを演じる国民になってしまったのだろうか。
▼本書に収められている批評の多くは、昭和四十年代後半から五十年代半ばにかけて発表されたものであるが、著者は経済成長優先の反面、「日本的叡知」が失われつつあった時代にやがて現在のような事態が到来することを見事に予測していた。
▼物質的には豊かである一方、精神的な貧困により迷走を続ける日本。今こそ著者のいう「日本的叡知」を取り戻すところに、この事態を打開する糸口が見出せるのではないだろうか。
[1]『表の論理・裏の論理』から
●民族的叡知の喪失
●間違った指導者を選ばぬために
●ゆがんだ精神構造 ほか
[2]『逆説の論理』から
●納得のすすめ
●喧嘩・決闘のすすめ
●ボス教育のすすめ ほか
[3]『日本人の忘れもの』から
●日本人のこころ
●現代人の忘れもの
内容説明
日本人がかつて経験したことのない、長く深刻な不況。購買意欲は冷え切り、政治家や官僚は腐敗し、経営者への不信は募るばかりである。一方では、凶悪犯罪が横行し、家族という小さな集団さえ崩壊しつつある。著者はこうした現状の到来を事あるごとに指摘し、警鐘を鳴らし続けてきた。本書は、こうした事態を招くに至った「日本的叡知」の喪失とその再評価を論じた、現代日本人の必読書である。
目次
1 『表の論理・裏の論理』から(民族的人生叡知の喪失;間違った指導者を選ばぬために;ゆがんだ精神構造 ほか)
2 『逆説の論理』から(納得のすすめ;喧嘩・決闘のすすめ;ボス教育のすすめ ほか)
3 『日本人の忘れもの』から(日本人のこころ;現代人の忘れもの)
著者等紹介
会田雄次[アイダユウジ]
大正5年京都市生まれ。昭和15年京都大学文学部史学科卒業。西洋史学専攻。神戸大学助教授、京都大学人文科学研究所教授を経て、京都大学名誉教授。文学博士。平成9年逝去
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