出版社内容情報
財政危機を救った名家老の手法と生き方を描く。
財政破綻の危機にあった播州姫路藩を、ユニークな再建策で甦らせた名臣・河合道臣の、壮大なる叡智に光を当てた感動の歴史小説。
実収年貢の7年間分という膨大な負債を抱え、財政破綻の危機にあった播州姫路藩を、27年をかけて再建した河合道臣(寸翁)。本書はこの経世済民の名家老の生き方を感動的に描く長編小説である。
▼元禄バブルのツケにより負債がかさむ一方の姫路藩では、経済の疲弊とともに人心も傷ついていた。代々の勝手向き(財政担当)家老が対策を講じるも効果なく、万策も尽きたと思われたとき、藩主は突然、「本のムシ」のような文人派家老の河合に勝手向きを命じるのである。いきなり修羅場に投げ込まれた河合は、だが周囲の危ぶむ声をよそに、文人派ゆえの懐深い人間味と冷静な頭脳によって、従来の倹約やリストラといった定番政策は避け、民間主導型の特産品の開発やユニークな金融システムを設けるなど、藩と領民が一体となった改革を推進していくのである。さらに負債完済後の次世代の育成も怠らなかった。まさに今日に呼び戻したい人物だったのである。
●無用の用
●崖っぷち
●白い蝶
●玉川さらし
●紙の獣
●風雅の人
●花林
内容説明
財政危機にあった播州姫路藩を、27年をかけて再建した経世済民の名臣・河合道臣(寸翁)を描く長編小説。膨大な負債を抱えた藩では、経済の疲弊とともに人心も傷ついていた。万策も尽きた頃、藩主は突然、文人派家老の河合に財政担当を命じる。いきなり修羅場に投げ込まれた河合は、だが、懐深い人間味と冷静な頭脳で、ユニークな改革を断行していく。
著者等紹介
寺林峻[テラバヤシシュン]
1939年、兵庫県に生まれる。1963年、慶応義塾大学文学部卒業後、高野山専修学院で僧籍を得る。京都で宗教専門紙記者を経て著作活動に入り、1980年に農村歌舞伎最後の一座を描いた小説「幕切れ」でオール読物新人賞を受賞。日本文芸家協会、日本ペンクラブ会員
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。