出版社内容情報
戦後間もない広島を描く、長編小説。初文庫化。
戦後間もない広島で、原爆の生々しい記憶と後遺症の中に生きる人々。著者の初期の長編小説を、初めて文庫化。
ルポライターの野口三吉は、「原爆から八年後の広島」についての文学的報告を執筆するため、その地にやってきた。そこで彼が目にしたものは、原爆の後遺症とたたかいながら日々を送る人々の、複雑な想いに満ちた生活であった。“あの日”の記憶、原爆症の現実、戦争に対する感懐、そしてそれを乗り越えて生きようとする意志……。人類がうみだしてしまった核兵器という“現代の悪魔”の最初の実験場となった都市は、通りすがりの野口に大いなる問題を投げかける。そして、そんな中で、彼の甥が原爆症の症状を呈し始める……。本書は、著者の知られざる名作長編小説を、初めて文庫化したものである。昭和28年の初版刊行以来、一度、著作集に収録された以外は活字化されていない。阿川弘之ファンにとっては必携必読の作品であるとともに、核問題という人類の重荷を考える上でも、文学史上欠かせないものである。
内容説明
敗戦から八年後の広島。そこには、原爆の後遺症とたたかいながら日々を送る人々の、複雑な想いに満ちた生活があった。“あの日”の記憶、原爆症の現実、戦争に対する感懐、そしてそれを乗り越えて生きようとする意志…。人類がうみだしてしまった核兵器という“現代の悪魔”の最初の実験場となった都市の心模様が、主人公であるルポライターの目を通し、リアリティーを持って読者に迫る長編小説。
著者等紹介
阿川弘之[アガワヒロユキ]
1920(大正9)年、広島市生れ。’42年、東大国文科を繰上げ卒業し、海軍予備学生として海軍に入る。戦後、志賀直哉の知遇を得て師事。’53年、学徒兵体験に基づく『春の城』で読売文学賞を受賞。同世代の戦死者に対する共感と鎮魂あふれる作品も多い。芸術院会員。’99年、文化勲章
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kiiseegen
ダイキ
kiiseegen