出版社内容情報
戦国乱世を二人三脚で生き抜いた夫婦の物語。
尾張の小土豪から加賀百万石の大大名となった前田利家とその妻まつ。激動の乱世を二人三脚で歩んだ夫婦の物語を情感を込めて描く力作。
戦国時代の夫婦の物語といえば、豊臣秀吉とねねの話が有名だが、秀吉夫妻と終生の親交を結んだ前田利家と妻まつの歩みも、「ミニ太閤記」とでもいうべき輝かしい出世譚である。
▼若気の至りで主君・織田信長の勘気をこうむり、足軽長屋に暮らしはじめた利家とまつ。まさにゼロからの出発だったが、実直・律儀に忠義を尽くす利家は、やがて帰参を許され、信長の計らいで前田の当主となる。その後、戦場往来の日々に生きる利家を、妻まつはしっかりと支え、二男九女を育て上げていく。
▼信長の横死、秀吉の台頭と天下統一という激変のなか、利家は「加賀百万石」の大名として豊臣政権の屋台骨を支えるようになる。だが秀吉が没し、利家も後を追うように病没すると、加賀前田家の存続をかけたまつの闘いが始まるのだった。
▼2002年のNHK大河ドラマは「利家とまつ」に決まった。女流作家ならではの繊細な筆づかいで、テレビに先駆けて戦国の夫婦の物語を描く力作。
●第1章 清洲城下
●第2章 長屋の隣人
●第3章 荒子城主
●第4章 槍と鉄砲
●第5章 乳房の悲しみ
●第6章 越前一向一揆攻め
●第7章 北の荒風
●第8章 首掛け山門
●第9章 三つ巴 賤ケ岳
●第10章 末森対決
●第11章 大坂模様
●第12章 天命
●第13章 梅花散る