出版社内容情報
日本人の心を捉える経典の謎を歴史的に探る。
約1500年前に伝えられたこの短い経文は、今も日本人の心を捉えて離さない。その謎を歴史的観点から探った著者渾身の書き下ろし。
経題を含めても、わずか二百七十六文字。この最も短い経典といってよい「般若心経」に、なぜ日本人は心を惹かれるのだろうか。その短さも一つの要因かもしれぬ。しかし、改めて「なぜ」と問うと、明確な理由を見出すのは意外に難しい。
▼著者は本書で、「日本人の般若心経好き」の謎を、歴史的な観点から探り出そうと試みている。具体的には、仏教伝来から、「般若心経」の成立、聖徳太子の時代から鎌倉、戦国、江戸、明治を経て現在に至るまでを、適宜資料を用いつつ洞察していくという、オーソドックスなスタイルであるが、聖徳太子の「十七条の憲法」にも般若心経が影響を与えていたり、ごく最近では「サンデー兆治」ことプロ野球の村田兆治が肘の手術を受け、無事快復を祈ったときに、やはり般若心経を唱えたことなど、硬軟取り混ぜたエピソードが豊富で、読者を飽きさせることがない。
▼般若心経の解説書は溢れるほどあるが、本書は異色の般若心経研究書である。
●序章 信仰する心
●第1章 般若心経の誕生と流伝
●第2章 海を渡った般若心経
●第3章 空海と密教と般若心経
●第4章 王朝文化と般若心経
●第5章 鎌倉新仏教と般若心経
●第6章 乱世と芸能と般若心経
●第7章 泰平の時代の般若心経
●第8章 現代に生きる般若心経
内容説明
経題を含めてもわずか276文字の「般若心経」は、最も日本人が親しみを感じ、永く読誦し続けてきた経典といってよい。それだけに、日本の文化、伝統に与えた影響にも少なからぬものがある。本書は、仏教伝来から「般若心経」の成立、また鎌倉、戦国、江戸を経て現在に至るまでの「般若心経」と日本人との関わり合い方を歴史的な視点から考察した、異色の「般若心経」研究である。
目次
序章 信仰する心
第1章 般若心経の誕生と流伝
第2章 海を渡った般若心経
第3章 空海と密教と般若心経
第4章 王朝文化と般若心経
第5章 鎌倉新仏教と般若心経
第6章 乱世と芸能と般若心経
第7章 泰平の時代の般若心経
第8章 現代に生きる般若心経
著者等紹介
百瀬明治[モモセメイジ]
昭和16年(1941年)、長野県松本市生まれ。京都大学文学部史学科卒業。『表象』同人、『季刊 歴史と文学』編集長を経て、現在著述業。主な著書に『日本型リーダーの魅力』(プレジデント社)、『ちみたりて明日』(三一書房)、『日蓮の謎』『大実業家・蓮如』(以上、祥伝社ノンブック)、『平安世紀末・考』(河出書房新社)、『名僧人物伝』(力富書房)、『御家騒動』(講談社現代新書)、『「軍師」の研究』『戦国名将の条件・参謀の条件』『信玄と信長「天下」への戦略』『足利尊氏』『戦国武将の妻たち』『出口王仁三郎』『徳川秀忠』(以上、PHP研究所)などがある
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