出版社内容情報
武勇と知略にあふれた頼れる男の生涯を描く。 生涯五十七回の合戦に参加し、一つの傷も負わなかったと伝えられる、戦さ巧者・忠勝。武勇と知略を駆使した生涯を描く長編歴史小説。 「家康に過ぎたるものが二つある。唐の頭に本多平八」……唐の頭にとは徳川軍の武将がよくつけた兜の飾りであり、そして本多平八とは、生涯五十七度の合戦でついにかすり傷一つ負わずに華々しい武功を上げた不死身の武将本多平八郎忠勝である。 そそり立つ鹿角の兜と黒鎧、金色の数珠を首から下げ、自慢の長槍「蜻蛉切り」を手に敵陣へと斬り込む勇姿には、信長が最大級の賞賛を与え、秀吉は配下に加えんと熱望したという。 本書は、徳川四天王の一人にして、負け知らずの斬り込み隊長。高名なわりにはその実像が明らかでない戦国武将の生涯を、巷間伝えられる剛将としてばかりではなく、知略を兼ね備えた参謀としても活躍する若武者時代を中心に描く長編歴史小説。 歴史好きにとっては、山岡荘八の『徳川家康』や隆慶一郎の『影武者徳川家康』などで縦横無尽に活躍する忠勝は、特にファンが多い武将である。今まで渇望されていた人物伝の待ちに待った登場である。
内容説明
徳川四天王の一人にして、生涯五十七度の合戦でかすり傷一つ負わずに華々しい武功をあげた本多平八郎忠勝。そそり立つ鹿角の兜と黒鐙を身にまとい、自慢の長槍「蜻蛉切り」を手に敵陣へと斬りこむ勇姿には、信長が最大の賞賛を与え、秀吉は配下に加えんと熱望したという。武勇と知略を兼ね備え、主君家康の天下取りのために戦場を疾駆した武将の痛快無比な生涯を描く歴史長編。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たみ
15
「家康に過ぎたる物が２つ有り 唐の頭に本多平八」の本多平八郎忠勝さんが主人公の小説。50以上も戦をして無傷だったとか、天下三名槍とか、かっこいい逸話が多い方なのですね、つい最近知りましてナニソレカッケー！となりました。カッケー！ 小説はさらっとして淡泊な感じ。平八郎を影で守る女忍が出て来たりして楽しかったのですが、もうちょっと色っぽさ増し増しでもいいのよとか、もうちょっと戦闘もりもりしてくれてもいいのよ、という読後感想でした。家康って実際のところ織田信長をどう思ってたんだろう？？2016/06/30
ＭＩＫＥＴＯＭ
7
徳川軍団最強の武将とのこと。戦場に５０数度立つが一度たりともかすり傷さえ負わなかったというのが伝説になっている。勇猛果敢だったのは確か。本書では服部半蔵の妹の鬼姫なる人物を創作し、忠勝の影の女房として忠勝の危機の時に駆けつけるという役柄を与えている（だから戦場で無傷だったということ）。マクロ視点では家康だがミクロ視点では忠勝であり、戦場での活躍シーンをけっこう濃密に書いている。ただ、どこまで史実なのかチト曖昧だが。今川氏真の掛川城における降伏シーンなど歴史の流れをもう少し詳しく書いて欲しかった。2022/05/25
m
7
真田丸の本多忠勝が好きすぎて、史実としての忠勝も知りたくなった。策とは無縁に思えるが、軍事的役割もこなしていたとは意外。そういえば愛娘・稲も娘婿の真田信幸も本書には出てこなかったなぁ。徳川サイドの話を読むと家康が可哀想に思えてくる。忠勝を生涯戦から守った三種の武具は黒糸縅月影大鎧、黒毛五枚錣鹿の角大兜、金色瑪瑙の六尺大数珠。今度大多喜城に行くので楽しみ。2016/08/31
円盤人
3
戦国最強武将の本多忠勝だが、小説化は難しかっただろう。彼が単なる猪武者ではないのは明白だが、智勇兼備の将とした場合、忠勝独自の決断を描かねばならない。ただその役割は本来家康のもので、彼は「従」にすぎないのだ。結果的に作者は、物語の大半を合戦シーンに定め、戦場での「颯爽たる武者ぶり」を描こうとした。各武将のキャラクターは実に古典的で、女忍者・鬼姫の活躍も含め、大仰な講談でも聞いているような気持ちにさせられる。したがって良くも悪くも「深み」には欠けるが、若い家康を真正面から英傑に描くのは逆に新鮮かもしれない。2021/10/25
敬之
1
影女房を書きたかった物語かなあ。 あとがきが意味不明感があった。2013/10/12
