出版社内容情報
“昼行灯”と称された異色のリーダーの生涯。 赤穂浪士たちを率い、みごと吉良上野介への仇討ちを果たした内蔵助。“昼行灯”と呼ばれながら、事に臨んで真価を発揮した英雄の生涯。 来年度のNHK大河ドラマ「忠臣蔵」。大石内蔵助は言わずと知れた四十七士のリーダーである。かつて大石を主人公にした『おれの足音』を書いた池波正太郎氏は、歴史人物の中で大石が一番好きだという。それは、ふだんは“昼行灯”と称されるような茫洋とした人物に逆に真の男らしさを見るからだという。確かに本当に男らしい人物とは、ふだんはあまり男らしくないのかもしれない。大石の真価は、赤穂藩断絶の後から始まった。家名断絶とは今日で言えば突然の解雇と同じである。働き場を失った社員たちのために必死で動き回った副社長が大石だった。なんとか浅野家再興を……この目的のために奔走した大石だったが、ついに望みを絶たれた大石に残された道は一つしかなかったのである。 本書でもう一つ特筆すべきことは大野九郎兵衛の扱いであろう。これまで不義の悪人とされてきた九郎兵衛は、近年見直されてきている。本書でも積極的に評価している。
内容説明
内蔵助は妻のりくに向かって毅然と言い放った。「いいか、男には二つの生き様がある。長生きして世間から疎ましく思われて死に、後世に名を残さぬ者。一方、世間が驚くことを成し、潔く散って末代まで名を残す者。わしは、後者の生き様を望んでいる」―突如の家名断絶に迷う藩士たちを統率し、無念の思いをはらした内蔵助。武士の意地を貫き、事に臨んで真価を発揮した男の生涯。
感想・レビュー
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- 和書
- 宗教的回心の研究