出版社内容情報
交遊録で綴った、粋な人づきあいの心意気。 平成9年10月、惜しまれながら逝去した著者。11歳で芸の道に入って以来のさまざまな出会い・交流を通して綴った、人づきあいの秘訣。 ワイン・ブームである。ヨーロッパでは昼夜問わず、子どもすらもワインを楽しむ習慣があるという。また、街頭でこのところよく目にする“オープン・カフェ”も、ヨーロッパからの輸入文化。「飲食する姿を人様に見せるのは、はしたない」などという観念は、もはや古い人間のものと化してしまったのだろうか。しかし日本にはまだ、江戸っ子の粋の典型のような人間がいる。その一人が著者・内海好江だ。著者は、昨年秋その生涯を閉じ、五十年という芸歴にも終止符を打った。持ち前の明るさときめの細かい気遣いが、漫才の世界を越えて、多くの人々から愛された芸人であった。本書は、そんな著者が幼少から人の世で鍛えられ、身にしみて味わったご縁のありがたさを綴ったエッセイ。日本人が本来持つ奥ゆかしさ、懐のあたたかさが、しみじみと伝わってくる交遊録だ。ランジェリーと紙一重のファッションに身を包む若い女性たちにも、ぜひ一読してほしい。
内容説明
少女時代から舞台を踏んで50年、漫才、トーク、バラエティ、常に第一線で活躍を続け、平成9年、惜しまれながらその生涯を閉じた芸人・内海好江。そのきめの細かい気遣いと持ち前の明るさが、漫才の世界を越えて多くの人々から愛された。本書は、そんな著者が、人の中で鍛えられ、身にしみて味わったご縁のありがたさを豊かな交遊録で綴る。味わい深い人づきあいの秘訣。
目次
小言を言われているうちが花だよ―漫才研究会初代会長・リーガル万吉師匠(故人)
芸も人生もそれぞれの人間性が滲み出る―噺家・柳家小さん師匠
約束事を守るのはお付き合いの基本―噺家・柳亭痴楽師匠(故人)
命があるということはありがてゃあわ―脳外科「江崎病院」院長・江崎二郎先生(故人)
相手を労る配慮が人と人をつなげる―噺家・林家三平師匠(故人)〔ほか〕