出版社内容情報
浄土真宗の中興の祖といわれる蓮如。貧苦にさいなまれながらも信仰への情熱を絶やさず、本願寺の復活をなしとげた名僧の生き方。
内容説明
蓮如は苦しんでいた。「わしの中には、戦をよぶ運命的な血が流れているのかもしれぬ。これから教団を存続させるためには、しっかりした法を打ち立てねばならぬ」。このときから蓮如は、為政者としての道を歩み始めた。―それまでの常識を破り、進んで民衆の中に入って布教した蓮如。その類い稀なる情熱と知恵で衰退していた本願寺を再興し、巨大教団にまで育てあげた名僧の生涯。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
maito/まいと
19
かつて、日本で唯一の宗教国家「加賀一向一揆国」、そして、今なお日本人の10人に1人が信者とも言われる浄土真宗。その隆盛の祖と言われるカリスマ、蓮如の生涯を描いた歴史小説。まるで生きた仏か、と思わせるほどのバイタリティの高さと、教えをただ愚直に伝えようとする真摯さは、当時(変に)敷居の高かった宗教への道を平坦にした功績の大きさは現代にも通じるものを感じる。その一方で宗教で腹はふくれない、と反発する存在や、蓮如を思うあまりに暴走していく弟子たちなどのカウンターパートの存在がおもしろい。2013/07/23
nanoko
6
私の実家は加賀の国は高尾城の近くです。先日、祖母の葬儀で数年ぶりに帰省しました。祖母の四十九日法要の前日、読み終えた本を返しに図書館に行った際にこの本が目につき、借りてみました。内容は蓮如さんの生涯がドラマチックに描かれており、とても読みやすかったです。蓮如さんのお話は子どもの頃からよく聞いてはいましたが、読んで少しだけ、イメージが変わりました。朝夕に欠かさず仏壇に向かって手を合わせ「南無阿弥陀仏」を呟いてた祖母の姿を思い出しながら読み、これも阿弥陀様のお導きかな、なんて。。。感慨深い読書になりました。2013/11/14
玉野ゆうき
1
蓮如さんの信仰は変わらないのに弱小団体だった頃も信徒が増えて大勢力に成っても悩みは尽きず。日本の歴史に大きな影響を与えた人なのに、理想と現実の乖離に右往左往している感じ。 それにしても子沢山だね!2020/02/20
すももたろう
0
☆☆☆2012/11/17