出版社内容情報
中国乱世にあって、権勢、財力に屈することなく、類稀なる反骨心を持し、己れの生き方を貫き通した男たちを描く､著者会心の短篇集。
内容説明
軍事の天才ゆえに非業の死を遂げなければならなかった流転の将軍呉起、匈奴における抑留生活を熱い使命感で耐え抜いた不屈の人張騫、三国時代の覇者曹操でさえ思い通りにできなかった奇跡の名医華陀…。中国戦乱の世にあって、権勢に屈せず、財力に媚びることなく、己れの信念を貫き通した七人の英傑たち。その類いまれなる反骨精神と壮絶な生き様を描き切った、著者渾身の歴史小説集。
目次
鼠を裁いた男―張湯
流転の将軍―呉起
稷下の学士―淳于〓
汗血馬を見た男―張騫
奇骨の士―魯仲連
奇跡の名医―華陀
完璧―藺相如
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
BIN
3
史記や三国志の中で反骨というか気骨ある7人の列伝。張湯、呉起、淳于髠、張騫、魯仲連、華佗、藺相如で全員知ってたらたいしたもんです。びっくりしたのが孫臏の本名を孫松とか書いてあったので、後でいろいろ調べましたが特にないので著者のオリジナルだろうか。張湯は非情な酷吏というイメージしかありませんでしたが、ここでは多少武帝に阿るところもあるが、名裁判官みたいな感じで好感が持てました。戦国時代の勢力関係と頭に入ってないときついかもしれない。2015/04/29
のんたん
2
一国の宰相から兵法家、医者まで職業は様々だが、反骨精神というのは色々な立場で発揮されるものなのだと思う。特に、戦国時代の趙国の宰相藺相如は、『完璧』や『怒髪冠を衝く』などの名言が現代にも残っているほど。小説歴史街道や小説新潮の短編を集めたもので、時代が同じで話が重複している部分もあるが、かえって理解が深まるかなとも思った。2016/02/11
