出版社内容情報
崩壊寸前の米沢藩を立て直した藩主・上杉鷹山。彼の心の支えとなったのが師・細井平洲の教えだった。師弟に学ぶ、心をつかむ人間学。
内容説明
見事に復興なった米沢の地で平洲と鷹山は再会をはたした。二人とも無言で頭を下げ、目には涙があふれている。もはや師弟の間に言葉はいらなかった。―崩壊寸前の米沢藩をたて直した藩主・上杉鷹山。その苦しい藩政改革を陰で支えたのは師・細井平洲の教えだった。かの吉田松陰や西郷隆盛をも感動させたという細井平洲の思想とは?師弟の温かい触れ合いを通してその真髄にせまる。
目次
プロローグ 上杉鷹山の師、細井平洲
第1章 実学者・細井平洲の思想―現実感覚なきリーダーの戒め
第2章 改革の始まり―「民の父母」思想に共鳴した鷹山
第3章 教科書『嚶鳴館遺草』―真の経済の道とは何か
第4章 鷹山・改革の本質―リストラのためには何が必要か
第5章 「心の壁」への挑戦―人心をつかむリーダーの条件とは
第6章 反乱の功罪―弊害を除くための「断」と「情」
第7章 藩校「興譲館」設立―「人づくり」のための教育の在り方
エピローグ 平洲の思想は死なず
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ふみら
1
上杉鷹山の師である細井平州という人物が気になり、読んでみた。勉学がもともと大好きで、それを見守った両親も立派。平州の思想に影響を与えた中西淡淵がこれまた気になってきた。幕末の志士たちのバイブルとなった『嚶鳴館医草』は第三章で書かれているが、何度も繰り返し読んで覚えておきたい。2023/10/11
Takeshi Nakajima
1
上杉鷹山の師である細井平州のことが書かれていました。考え方の基本が示されていました。2022/05/10
あとも
1
「藩主は米、士農工商は薪、そして地方役人は鍋釜である。米がよくても薪がよくても鍋釜が悪ければうまい米は炊けない」 仕事をしていて、それは、ほんとうにそう思う。 老若男女を問わず、やってくるものがわかりやすく楽しく聞ける話を心がけたという細井平州。行く先々で日々万におよぶ人々が彼の話を聞きに訪れ、その話に感動し、涙したという。この本を読んで、それが具体的にどんな話だったのかはわからず。その時代に生きた人にしかわからない感動だったのだろうか?2015/08/21
図書館おじさん
0
あの上杉鷹山の師匠である細井平洲もまた完璧超人であった…。 良いところばかりを書かれてる気がしなくもないのだけど、どこまで本当なのだろう、こういう時にタイムマシンで実際の人物を見ることができたらなと思ってしまう。2017/05/17
輝竜
0
話の時系列があっちこっち行ったり前後したり繰り返されたりでちょっととっちらかってる印象。細井先生の描写が完璧聖人が過ぎるように思うけど、まあPHP文庫だしなと思うべきなのか、それとも筆者の贔屓が過ぎるのかはわからない。2016/03/18