出版社内容情報
多感な時代にクラーク博士の影響を受け、イエスと日本という二つのJの調和を図った宗教家、内村鑑三。その波乱の生涯を描いた大作評伝。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yoshi41101
1
松岡正剛の本で「二つのJ」が出てきたので読んでみたが、良さを知る前にいきなり実像をたたきつけられた。内村鑑三の著作は「後世への最大遺物」だけしか読んでないので、ここで知った経歴をふまえてもっと読んでみたい。多くの挫折(札幌農学校へ残れず、結婚に失敗、米国の神学校で学位をとらず帰国、不敬問題で教師として追放etc)を経て名を成すに至ったが、完璧ではなく厳し過ぎたり誤解を生んだり、かなり不器用な人であったようだ。外国から多くを学んだが、外国にはかぶれず、日本についてキリストについて考え続けた姿勢には学ぶところ2009/10/12
すっち
0
良かった。読んでいて久しぶりに熱い心になる。読むたびに学ぶ姿勢を改めさせられ、「信仰とは何か」について考えさせられる。当時英語を学ぶことはキリスト教に近付く手段でり、英語を学び英語をマスターできない者にはエリートにもキリスト教者にもなれなかったという部分は印象的。鑑三の作品は読んだことなかったけれどこれを機会に鑑三の性格・性質を考えながら鑑三の本を読むことができそうだ。 「人の最大発見物は彼の天職なり、之を知らずして彼の生涯は無意味なり、我は幸にして之を発見したりと信ず・・」という鑑三のセリフは秀逸。2012/10/25