出版社内容情報
九州の雄であり、文禄慶長の役でも活躍した島津義弘。関ケ原合戦で、家康本陣の前を敵中突破するという勇猛さを見せた武将の生涯。
内容説明
秋雨けぶる関ヶ原に、すでに西軍の姿はなかった。ただ一軍、笹尾山麓に島津の部隊だけが超然と居座っている。「見てのとおり。関ヶ原にはためくは東軍諸隊の旗じるしのみ。これより兵を束ね、東軍総帥の本陣へと突き進んで、家康めに薩摩武士の底力を見せもす!」義弘は最後の決意を告げた。―秀吉に服し、朝鮮出兵で活躍。関ヶ原で敗れるも、勇将としての生涯を全うした男の生き様。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
TheWho
10
戦国後期の薩摩の猛将島津義弘の一代記。関ヶ原の戦いを軸として、秀吉の九州討伐や朝鮮出兵等などの僻地九州産南端の戦国大名の悲哀と、朴訥としているが、魅力溢れる戦国勇将の生涯を語っている。しかし島津義弘は、決して島津・大隅・日向三国の守護大名ではなく、あくまで、島津家当主・守護大名の島津義久の弟で或る事や、島津郷士を一領具足と表す等多少の歴史考証の間違いが気になったが、島津義弘の猛将としての生き様を克明に描いていた。辺境の戦国武将を語った一冊です。2020/04/02
MIKETOM
7
通常この手の本は幼少時から時系列で描いてゆくものだが、本書は前夜あたりから関ケ原当日の長い一日を描いている。そしてカットバック方式で義弘の人生を描くといった手法。人生と言っても退屈な部分を大幅にカットし、節目節目の主要な戦闘などを中心に書いてるため最初から最後まで中だるみのない読みやすい読み物になっている。ここはナイス。ただまあ、島津義弘と言えば、関ケ原では戦闘行為は一切せずに、西軍の敗北が決定してから群がる敵を蹴散らしながら退却したというのが唯一の戦績だから、著者も書くのが大変だったろうな。2021/05/05
Bibliobibuli
1
薩摩武士は史上最強ですね!また、鹿児島弁で描かれていたので義弘たちの人間性までリアルに見えてきました。2017/06/01
敬之
1
関が原を中心に過去の挿話も入れながらよくわかる作りの小説。 戦国の各々の物語が浮かび上がってきて関が原の背景が感じられた。2013/06/12
ホームズ
0
1996年12月21日初読
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