出版社内容情報
織田信長に仕えたものの、あらぬ謀叛の嫌疑をかけられ、やむなく反旗を翻した荒木村重。戦国武将の心の葛藤を描いた傑作歴史小説。
内容説明
「わしは心底、酷薄な人間なのかもしれぬ。しかし、生きてあればこそ人。何といわれようとも、まだ死ぬわけにはいかぬ」。村重は強く自分にいい聞かせた。旧主池田勝正の追放、第二の主君織田信長への反逆、そして逃亡…利休七哲の一人に挙げられる一級の文化人でありながら、卑怯な行動をとった村重の真意とは何か。戦国の非情に翻弄されつつも、己れの人間らしさを全うした武将の生涯。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
GaGa
40
籠城中の有岡城から逃走し、一族郎党すべてを信長によって処刑され、卑怯者扱いされることの多い武将、荒木村重。ただ、この逃走がいろいろと不可解な部分があるので気になっていたが、この作品は一つの可能性として面白く読めた。キリシタン、茶人という顔も持つ村重であるからこそ、信長に対しての嫌悪感は理解できるし、最後の秀吉に対する態度も大いに頷ける。「命惜しゅうて候」のサブタイトルがいい。2012/01/11
BIN
3
織田信長に評価されていたにもかかわらず、織田信長に謀反し、篭城するも城から逃走して、一族は殲滅されてしまうといういいとこなしの卑怯者として扱われてしまう残念な武将をどう描くのか非常に気になっていた。その問題の逃走というのがただ結果的にそうなってしまっただけで別に卑怯でもなんでもないという点は非常にプラス。器量人、細川藤孝が悪者というのも珍しいのではないだろうか。なかなか面白い作品ではあった。2012/12/14
ホームズ
1
1996年6月10日初読。あまり好きにはなれない武将です。
thewildwind
0
毛利が悪いよ2025/04/17
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