出版社内容情報
安芸国の一城主として出発し、卓抜な戦略でまたたく間に10ヵ国を領有する大名となった毛利元就。その激動の生涯を描く長編歴史小説。
内容説明
西国の有力大名・大内義興は、子の義隆に、唯一の遺言としてこう言い遺した。「安芸の毛利元就は、味方にすれば頼もしいが、敵にまわせばこれほど厄介な者はない。ゆめゆめ敵とすることなきよう心せよ」と。―大内、尼子ら大大名に挾まれた小豪族にすぎなかった元就は、なぜまたたく間に十ヶ国を領有する覇者となり得たか。類い稀な知謀を武器に、己れの理想を全うした英雄の生涯。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
円盤人
4
古文調を交えた個々の文章は達者だと言ってよいが、小説として情報の伝達ができているか、といえば疑問符がつく。話や説明がしょっちゅう脇道に逸れていき、何が本道なのかも次第にわからなくなっていく。とかく元就は今日に明日に敵味方を変えた人なので、そのへんの導線が整理されていないのは小説として致命的ではないかと思う。古文調が変に混ざるのがよけいにわかりにくさに拍車をかけている。自分の理解力が低いだけか、とも考えたが、戦の臨場感を掻き立てるような文章でもないし、すっかり退屈しながら読み終えた、というのが正直なところ。2023/05/31
八朔
2
図書館が閉館しているため、家にある本を読んでみました。とにかく、登場人物が多く、そこに婚姻関係が絡み、かつ、それぞれの人物の時系列になっていない細かいエピソードが入り、非常に読むのに苦労しました。後半になると、人間関係もかなり頭の中で整理されてきましたが、外出自粛の折だからこそ読めた本だと思います。室町末期から有名な三矢之訓が書かれるまでの間、どのように毛利氏が戦って生き延びてきたかがよく分かりました。2020/05/06
よっ!
0
厳島の戦いまで。★★☆☆☆2010/06/16