内容説明
「あなたに言い残しておきたい言葉を、遺書のつもりで書きます」―母、小説家、六十歳。「親から受け継いだ遺伝子と、親とは異なる後天的経験の相克」に思いをめぐらす、息子、文化人類学者、三十六歳。親は子に何を教えるべきか。人は何を大切にして生きるべきか。大人同士になった親と子が、人生の“いい加減”について語り合う。深く静かな愛情に満ちた往復書簡36通。
目次
返事の書かれる遺書
何を選んで生きるか
忘れられる幸福
風呂の中の都会
少し愛して、深く愛さない
そっと感謝する日
日本ではない国で
水土、適・不適
バランスを保つ知恵
人のしたことは謝れない〔ほか〕