出版社内容情報
故・池波正太郎の文庫初収録作品を集めたオリジナル版。味のある短・中編小説、歴史紀行とエッセイ、およびインタビューで構成。池波ファン、歴史ファン垂・$3581・の一冊。
内容説明
宝暦七年、侍・徳山五兵衛が波乱に満ちた六十八歳の生涯を終えた。五兵衛は若い頃、一人の少女への恋慕の念から、土蔵から盗み出した宗〓作の笄(こうがい)を贈った。その笄がこれほど数奇な運命をたどろうとは…表題作「さむらいの巣」ほか全7編を収録。味のある短・中編小説、歴史紀行とエッセイ、およびインタビューで構成。歴史ファン、池波ファン待望の一冊。
目次
さむらいの巣
無惨やな 猿子橋母子の仇討ち
真田信之の妻―小松
真説 決戦川中島
関ヶ原古戦場を往く
豊臣秀吉
実録・鬼平犯科帳
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
星落秋風五丈原
17
宝暦7年、侍・徳山五兵衛が波乱に満ちた68才の生涯を終えた。徳山権十郎五兵衛は大身旗本の次男。50才を過ぎた謹直な父・重俊は、奉公に上がった女中に心ならずも手をつけた子だという事もあり、権十郎の粗暴な振舞いを見るにつけ、ついいまいましい思いに捕われてしまう。使用人達も権十郎には仕える事はないと思い込んでいるので軽視してかかる。権十郎は多感な少年だけに、それが我慢ならず乱暴を働き、不満や寂しさのはけ口を外に求め、放蕩の味を覚える。剣術道場で毎日励み、悪友の誘いで女を覚えて身を崩す。彼は鬼平の大先輩。2003/07/26
HIRO1970
14
☆★☆似たような話は読んだ気はしますが、全て初物だということです。版権の関係だとは思いますが、オムニバスにも程があるよと言った感じで余りに短編の内容がバラバラで、こんな編集では正ちゃんに怒られるよ等と思いながら前半は馴染めませんでしたが、後半はすーっと引き込まれ違和感なく読み進めたので驚いています。昭和37年~54年の間の作品ですので長い期間のようで僅か17年の間の作品が載っています。表題の『さむらいの巣』は鬼平の元ネタの習作といった感じですが完成度が高いので非常に楽しめました。お勧めします。2014/02/04
サンディK32
12
何ともマニアックなPHP! 何だか色々思い出させてくれる短編集とインタヴューでした。取り敢えず『おとこの秘図』再読したくなりました。それから、四谷の戒行寺、長谷川平蔵の墓は紛失しているとは、気付かなかった… 供養碑だったとは(^.^;2016/01/08
ドナルド@灯れ松明の火
9
池波さんの発表作(未刊行作品)を掲載した本。5代目徳山五兵衛重舊の日本左衛門捕縛に至る話が良かった。鬼平のベースになってるなぁ。三国一朗との対談が掲載されており、当時の世相がわかるのにはびっくりした。2013/09/21
yamakujira
5
著者の没後に未収録作品を集めて文庫化したらしい。7編の短編集で、小説あり随筆あり対談あり、いろいろ楽しめると言えば聞こえはいいものの、どうにも寄せ集めな感じがしてしまう。とくに対談は内容に乏しくて、ページを埋めるためなのか。池波ファンには肉声を聞くような喜びがあるかもしれないけどね。関ヶ原前後の真田家を想像させてくれる「真田信之の妻 小松」がいちばん面白かった。それにしても、著者が他界してからもう四半世紀も経つのかぁ。 (★★☆☆☆)2015/09/21




