出版社内容情報
「かな」の創造、貞永式目と日本式法治国家の成立、絶対性を否定されたキリスト教……など、日本の通史を綴りながら日本人の行動原理を探る。上・下巻1500枚ここに完結!
内容説明
「鎖国は果たしてあったのか」「日本の専制君主はいたのか」「なぜ日本は明治維新に成功したのか」など、下巻では、戦国時代から江戸幕藩体制、幕末に至るまでの動と静の歴史の中から、現代日本に通ずる事柄や人物の背景・思想を克明に解き明かす。明治の急速な近代化の必然性と、現在の経済大国日本を生み出した日本人の行動原理を、日本人自身がたどってきた悠久の歴史に求めた、“山本日本学”の完結篇。
目次
第3部 名の代・西欧の衝撃(土一揆・一向宗・キリシタン;貿易・植民地化・奴隷・典礼問題;オランダ人とイギリス人;「鎖国」は果たしてあったのか;キリシタン思想の影響)
第4部 伊達千広の現代(家康の創出した体制;幕藩体制の下で;タテ社会と下剋上;五公五民と藩の経営;幕藩体制下の経済;江戸時代の技術;江戸時代の民衆生活;江戸時代の思想―民間学者の出現と御用思想の危険;現代日本人の原型―宗教批判、無神論、進化論、地動説;現代日本国の原型)
エピローグ 明治維新の出発点
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あちゃくん
33
日本人の来し方について深く理解できました。単にいつ何があったとか、どこで戦いがあったとかという史実を表層的に追うのではなく、日本人がどういう法律を作って運用して来たかとか、どういう風に経済を回してきたかとか、どういう思索を展開してきたかが重層的に理解でき、読み応えがありました。2023/08/19
しんさん
1
中根千枝の「タテ社会の人間関係」読後、なんとなく読み返してみたくなり10年ぶりに再読。「タテ社会と下克上(幕藩体制での一揆、押込など)」という関連した章があったので、かすかに記憶が残っていたかな。特に、終盤の「江戸時代の思想」「現代日本人の原型」の章が楽しい。 新しい時代も、すてきな本と人との出会いがありますように。 2019/05/02
夢仙人
0
参考になった。2016/05/02
Hayek
0
★☆☆☆☆2015/03/21
宇和島太郎
0
読了までずいぶんと時間がかかってしまった。北条執政の時代からこの国には民主的と行って良い政治の配慮が感じられて、また江戸時代までにおいても知識人らが考えていたことは今となんら変わりない、何も変わってはいない日本人は何も変わってはいないこと思い知らされました2023/05/29