内容説明
為政者の心構えを説いた本として、広く愛読されてきた『為政三部書』(原題『三事忠告』)―原著者の張養浩は、元の時代の地方長官・監察の責任者・中央政府の大臣などを歴任して民生の安定に心を砕き、名臣と称された人物である。自らの体験をもとに説くさまざまの教えは、自己啓発から危機管理まで多岐に渡り、指導的立場にある人々にとってきわめて実際的である。その内容を現代の指導者に向けて平易に解説した、格好の行動指針。
目次
解題 張養浩と『為政三部書』
廓堂忠告―宰相・大臣たる者の心得(きびしく自分を律すること;人材の登用をはかれ;民生の安定を重視せよ;深謀遠慮をもって事にあたれ ほか)
風憲忠告―監察官・検察官たる者の心得(きびしく自分を律して模範を示せ;教え導くことを優先させよ;広く意見を求めて判断せよ;行状を調査して実態を把握すべし ほか)
牧民忠告―地方長官たる者の心得(任命にさいして;就任にあたって;訴訟を裁くとき;部下の統率法;人民をいたわる ほか)