出版社内容情報
日本にとって最も重要な時代でありながら、明快な解釈が避けられてきた昭和史。その核心を、誰にでも分かるように説く渾身の書き下ろし!
内容説明
今の日本は昭和はじめの日本とまったく同じなんだ。「戦争を知らない子供たち」の子供たちへ渾身の書き下ろし。
目次
魂の震えとしての歴史(あらゆる時代を越えて)―魂の核心で感じる、それが歴史を学ぶということ
江戸時代の意味(17世紀~19世紀中頃)―世界史に例のない平和で文化的だった時代
明治時代について(19世紀後半~1890年代)―残酷きわまる世界のなかで、命がけで走り続けた
日清、日露戦争(1894年~1910年)―独立を守るため戦争をしなければならなかった
昭和の始まり(1910年代~20年代末)―世界秩序の変化に気づかなかった日本の悲運
満州国とは何か(1930年代初頭)―独自の道を歩み始めた日本と、西欧の鋭い対立
昭和前期について(1920年代後半~30年代)―ひどい貧困のなかで新しい国家のデザインを模索
大東亜戦争とは何か(1930年代後半~45年)―勝ち目のない戦争に進まざるをえなかった悲しさ
占領は日本を変えたか(1945年~51年)―わかりやすい目標が生まれ、変な陽気さがあった
高度経済成長(1951年~60年代)―経済発展が国民に一体感を与えた幸福な時代〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
T K
12
江戸時代の開国からはじまり、なぜ日本は戦争をせざるをえなかったのかを網羅しつつ、口語調の文体で昭和をわかりやすく説明している。 列強の奴隷にされないため突貫工事で近代化を図る日本。 国際情勢により自由取引ができないが故の満州国の意義。 最初はイギリス次はアメリカと御膝下を変えグランドデザインを失くした日本。 激動の昭和が見えてくる。 最後に当事者意識を持って、歴史に向き合う事で歴史観は変わっていきそれが歴史を学ぶ姿勢だという著者の考えに納得。 2015/01/12
おもろい於間抜
5
私は日本製鉄がUSスティールにアメリカの政権に脅かされながら買収にこだわるのか分からなかった。アルセロール・ミタルの軍門に下ればいいではないかとさえ思っていたことがあります。本書を読んでいま世界秩序が変わろうとしているとき進む道を模索しようとすれば選択の結果かなと思えた。本書はたいへんリズミカルな文章で読みやすく私的に謎と思えたことをわかりやすく承知させてくれるいい本だった。著者が鬼籍に入っていることが悔やまれる。2025/06/11
ひろぶー
1
平成が終わる前に、昭和を振り返る。2018/04/16
おサゲっち
1
歴史をエモーショナルにそして地続きなモノとして捉え今を生きる。 戦前にも青空は広がり、占領政策が無くとも民主主義は日本に根付いており、イニシアチブをもって世界史のキャスティングボードを握ろうとしていた。この誇るべき先達に恥じないよう我が国を引き継いでいきたい。そんな共感を持って読み終えた一冊。2015/11/21
bori
1
以前、会社のトップから「時代の大きな流れを読める人間になりなさい」と言われたことがある。未来は、過去から現在の延長線上にある。未来を知るヒントとなればと思いこの本を手に取った。 江戸時代末期の開国から、植民地になるかならないか(奴隷にされるかされないか)の国際競争のなかで、先人たちが必死で生きてきたことが分かる。また、日本の国内政治や経済が、国際情勢の大きな流れによって決められていることも分かった。 僕はドメスティックな関東ローカルの会社に勤めているが、それでもやはり世界と繋がっている。もっと世界に目を向2013/02/14
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