出版社内容情報
漱石文学の魅力の一つであるアイデアとレトリックの楽しさに満ちた松山・熊本時代の俳句。これらの句を旺盛な遊び心で読み解く粋な一冊。
内容説明
松山・熊本時代に漱石が残した俳句は、俳諧味あふれるアイデアとレトリックに満ちている。これらの句の数々を、現代の粋人が、持ち前の想像力と好奇心を駆使して、さらに楽しく読みといていく。
目次
はじめの章
青春の章
朱夏の章
白秋の章
玄冬の章
おまけの章
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
猫丸
13
熊本時代の句に半藤さんが解釈と蘊蓄を披瀝する。1句1ページ。後期のいわゆる則天去私ワールドへ収斂させられがちな句とは異なり、講談や支那古典好きの漱石が取り合わせの距離を拡大していく気宇壮大な句群。いきおい解釈者にも同レベルの知識を要求するから、古典教養の沈澱に乏しい現代の我々には意味不明になりがちである。漢籍を読まないとなあ、とは思えど、現代の精神速度のギヤを最低にまで落としてゆっくり音読再読しないと頭に入っていかないのだな。貧乏暇なしの身にはムズカシイ。学生さんは中学高校の教材を暗記しておくといいよ。2020/12/05
るい
4
漱石の俳句は知的だ。古典に書かれた物語がベースとなっていたり、読み込まれていたりする。ある程度の知識がなければ、俳句を正しく解釈することはできないだろう。また、使われている言葉を女性に読み替えることができるのもおもしろい。真意のほどを知りたくなる。2017/07/21
氷柱
4
244作目。9月24日から。和歌に触れたいと思い古本屋をぶらついていて見つけた。意外にも漱石の俳句を取り上げた文献は少ないとのことなので、今作は貴重な一冊だ。前提知識がないと読み解けないような難解な詩が多い。俳句の読解に慣れていないことに加えてある程度の知識、主に古代中国の歴史の知識が必要ともなるともうお手上げである。しかしその中でも味わい深い詩が散見される。どちらかと言うとすごい詩に対する驚嘆というよりも漱石はこんなところに注視したのかとはっと気づかされるような小さな驚きがあった。内容の濃い一作。2016/09/27
あいくん
0
☆☆☆☆☆2010/02/24
たつのすけ
0
◯2023/10/03