出版社内容情報
石田梅岩・大久保利通から松下幸之助まで。先人たちの歴史を通じ、変革期日本の将来を舵取りするヒントを探る、堺屋日本史、待望の完結。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佐島楓
47
ピックアップされている人々を「日本を創った人」としてしまっていいのか、と思う方もいらっしゃるかもしれない。ただ、広い意味で、歴史に名を残している人物は、日本に何等かの影響を与えているということなのだろう。2016/04/29
kawa
41
後編は、石田梅岩(「勤勉と倹約」の庶民哲学)、大久保利通(「官僚制度」の創建)、渋沢栄一(「日本的資本主義」の創始)、マッカーサー(日本を「理想のアメリカ」にする試向)、池田隼人(経済大国の実現)、松下幸之助(日本式経営と哲学の創出)の6名。より近い時代の人々だけに、ダイレクトに今の日本のもろもろの事象に直結して納得感高いのだが、同時に著者の上手すぎる記述も印象的でチョットチョット??との思いも。6人のうち石田梅岩さんという方は初知りで人柄も含めてウオッチしていきたい人だ。2019/05/24
さきん
26
日本の形成に大きく関わった6人の紹介。石田梅岩、松下幸之助、マッカーサーなど。岩崎弥太郎と渋沢栄一との会社に対する考え方についての解説は分かりやすく、良かった。これからの体制に合わない思想もたくさんあると思うが、著者の規制緩和すべきという考えや、終身雇用は持たないという考えには、いささか同意出来なかった。2017/01/26
James Hayashi
24
石田梅岩とは初耳の方。時代は元禄で農業鉱業など発展を遂げた。その時代に勤勉と倹約を実行された(石門心学)とのことであるが、あまり特質性があるとは思えない。大久保利通は権謀術数に長けた人物だが、官僚制度の基礎を築き産業発展に寄与した事に疑いの余地はない。しかし「豊かになっても幸せにならない」国の礎を創ったとも言える。渋沢栄一は先日城山三郎の「雄気堂々」を読んだが、こちらで語られる簡易な岩崎弥太郎との対比がわかりやすく、人物が浮き上がってきていた。また現代の企業を含めたコメントは著者の面目躍如。 2016/12/08
太田青磁
24
石田梅岩「人、三刻働きて三石の米を得る。われ、四刻働きて三石と一升を得。なんとすばらしき」「諸業すなわち人生修行である」大久保利通「外国に蔑まれない国を」「ドイツ帝国に学んだ官僚主導型啓蒙主義」渋沢栄一「金融制度そのものの創立」「みんなが仲良く協調する合本主義」マッカーサー「日本も豊かになればアメリカと同じような民主主義と自由経済の国になるだろう」池田勇人「所得倍増計画」「効率を最大の社会正義」「政・官・業のトライアングル」松下幸之助「技術と経営、両面のイノベーター」「終身雇用の思想」「勤勉の哲学」2013/10/18