出版社内容情報
知的なものの見方・考え方はどうすれば身につくか? 多芸多才で知られるリンボウ先生が、学問・読書・遊びの「方法」を愉快に語る。
内容説明
自分の足で歩き、自分の目で見、自分の頭を使って、主体的に外の世界と関わっていけること。そしてそのための正しい方法=ものの見方を身につけていること。そんな「本当の知性」を磨くには一体どうすればよいのか?多芸多才で知られるリンボウ先生こと林望氏が、学問の愉しみ・読書の幸福・創造的遊びの三つの側面から、その知的生活の全ノウハウを語り尽くす。楽しく読めて、役に立つ、三日間集中講義。
目次
第1日 学問の愉しみ(知性とはそも何であるか;学問において最も大切なこと;財産としての時間をどう使うか ほか)
第2日 読書の幸福(「良い読書」という幻想;「奔放な読書」のすすめ;本は買って読む、寝ころんで読む ほか)
第3日 遊びは創造(何もしないことの楽しさ;渾然一体となるオンとオフ;面白い仕事、つまらない仕事 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
海月
78
25年以上前の新書だが今でも通用する本でした。 今回は勉強と言うことで選んだ自分的勉強新書の一作目。 はじめにを読んだ時これは難しすぎて失敗したなぁと思ってましたが面白くてタメになりました! この本は主に学問、読書、遊びの三章に分かれており林先生の経験から知識について感じたことを書いておられます。大学の先生は何もしない先生の方が優れているなどの独自の感覚で納得することが多々ありました!これは適度に間を置いて読み返したいですね。2021/07/09
ナマアタタカイカタタタキキ
54
知性の有無とは即ち主体の有無。知性を磨けば、物事に対して情緒的アプローチではなく、客観的認識を以て見つめることが可能になる。そのための“手法”を、著者は如何にして身に付けてきたか──学問の項には若干辛辣な物言いもあるけれど、とどのつまり何か一つの分野を極める過程は必須なのだろう。その過程で身に付く手法は他でも応用が利く。この手の本で、読書はしたい人だけがすればいい、せずとも特に困らないとまで言い放っている点は異色。須らく名著には一通り目を通さねば教養は身に付かない、というのは一種の強迫観念かもしれない。→2021/06/08
ほじゅどー
16
★★★★知性のある人とない人との違いは主体性の有無。自分の足で歩き、自分の目で見て、自分の頭で考えて、自分の心と体で外の世界と主体的に関わっていく。学問、読書、遊びについて。知性とはものの見方。方法を学ぶ。知識は個別、方法は普遍。知識より経験と筋道。名著を読むから立派な人格になる訳ではない。遊び。日本人はオフでも何かをやらなくてはならないと必死。本当の余暇とは何もしないこと。寝転がって本を読む。旅も遊びも仕事も、それを自分がやるもやらないも自由(選択の自由)があることが楽しい条件。2023/04/30
べる
15
学問は高等な遊びだからこそ、一生つぎ込んでも悔いはない。言葉の背景や意味を辞書的に、かつ掘り下げて見ていく。先行研究をなぞる。そうした学問の方法を身に付ければ応用がきく。どう文献を調査し、ノートを取り、分類整理して体系化するのか方法を学ぶことが大事。大きな仕事をする人は強い動機があるから忙しい中で勉強する。仕事も結果を出すまで努力して、成果を評価されたら楽しい余暇になる。趣味もプロになれるぐらい打ち込んで仕事になることがある。遊びと仕事は本質的に表裏一体。寝転んで読書して心身の英気を養う余暇の時間も必要。2022/09/19
kubottar
13
趣味を所詮遊びと思わず、やるからにはプロ級を目指せというのは斬新な考え方だと思った。それは、仕事と趣味どちらが自分の人生において主軸になるということなのだろう。仕事の余暇に趣味をやるのか、それとも趣味の余暇に仕事をやるのか・・。そして、趣味を楽しむのもいいがさらに切磋琢磨し、プロといってもいい形にするためには、それこそ膨大な努力が必要である。しかし趣味を仕事以上に昇華したら、また違った風景が見えることでしょう。2011/05/13