出版社内容情報
平成八年二月、急逝した戦後国民文学の旗手・司馬遼太郎。彼は日本人に何を伝え、何を訴え続けたのか。哀悼をこめて綴る力作評論集。
目次
司馬人格あってこそ
究極のイデオロギー批判
司馬史観とはなにか
小説で時代の思潮を変える
智恵と気概の人間讃歌
対談・司馬遼太郎歓談(vs.渡部昇一)
インタビュー・司馬文学の魅力は「人間通」にあり
対談・司馬遼太郎三昧(vs.尾崎秀樹)
ある選考会の夜
対談・司馬遼太郎佳話(vs.山折哲雄)〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
カブトムシ
24
この本のあとがきに、「割符(わりふ)」という言葉が出てくる。著者と読者との相性がぴったりしている状態を表す。割符の片方を著者が書き、もう片方を読者が読み取る。司馬遼太郎が谷沢永一といかに相性が良かったかをコンパクトに知ることができる。司馬と谷沢の生前に互いの書斎を見に行くことになった。谷沢が先ず司馬の書斎を見に行くと言うので、文藝春秋がその様子を載せた。谷沢は「太宰治」がぼろぼろになるまで読まれていたと書いたら、それは、奥さんの本だった。と言うエピソードがあった。谷沢の書斎には、司馬さんは、いかなかった。
カブトムシ
23
「自然主義文学を超克すべく登場した、志賀直哉を筆頭とする自我主義の潮流は、感受性を鋭敏にとぎすまし、人の心の微妙なそよぎを繊細な感覚で捉えることに成功した。志賀直哉が小説の神様と目されるようになったとき、文壇の主流は感性の錬磨にいそしむ方向へと定着した。…こうして、…この二方向へと近代文学の辿った経路においては、人間がこの社会で積極的に生きてゆくための知恵を探求するという進み方が抜けおちてしまった。…司馬遼太郎が一筋に思いを定めた進路は、それをひとくちに言うなら、人間讚歌、そのものであった。p22~23」
Char
3
谷沢さんの著書には司馬遼太郎さんがよく登場していて、交流はお持ちだったんだろうな、と思いきや、司馬さんが最大限の賛辞を送るほどのご関係。谷沢さんと様々な方の対談や、谷沢さんの司馬遼太郎評などを交えた司馬遼太郎ファンにはたまらない一冊。やはり司馬遼太郎さんはその表現のイノベーティブさだけでなく、人間通であったことが最大の魅力だったことに気づかされた。格好いい大人の男しか出てこないもんな。しかし、まだまだ読んでない本が多いなぁと痛感。原点である司馬遼太郎本に戻ってみようかな。2015/09/19




