出版社内容情報
日本はなぜ「北進」ロシア封じ込め政策を捨て、「南進」英米対決路線に転じたのか。大東亜戦争の悲劇を近衛内閣の親ロ政策と米国の策謀の両面から探った問題作!
目次
第1章 「八年戦争」と尾崎秀実―大東亜戦争の真実
第2章 「ハル・ノート」とロシアの「積極工作」―財務次官補H・D・ホワイトとルーズヴェルト
第3章 近衛文麿の「犯罪」―「祖国」ソ連の防衛と対英米戦争
第4章 中国共産化と計画経済の導入―日中戦争と近衛文麿の「犯罪」
第5章 二・二六事件か、近衛文麿の「新党」か―憲法蹂躙の国家反逆
第6章 「英米なきアジア」は、日本の自殺
第7章 「日米の満洲」拒否の代償
第8章 「北進」は平和、「南進」は破局―善の「反露」と悪の「親露」
終章 「モンロー主義」との訣別、「アジア主義」の根絶―「制御不能」な二十一世紀のための平和処方箋
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
№9
29
衝撃の書だ。これまでの自分の中の常識が180度ひっくりかえされる。著者の解説していることが真実ならば。簡単に言ってしまえば、すべてはコミンテルンの手の混んだ謀略に日本はマンマとのせられ、容易に抜け出せない中国との泥沼の紛争とどう転んでも負けるに決まっていた米英との戦争に引きずりこまれたのだ、と。と書いてしまえば胡散臭い謀略論にしか聞こえないのだが、本書の記述には「さもありなん」と思わせる論理性と説得力がある。後半のハートランドとリムランドの対立という地政学の解説も興味深い。世界は混濁を増し腹黒さを深める。2014/09/12