出版社内容情報
「悲しくなったらナポリに行こう。」美しい景色と陽気な人々、美味しい食べ物が私達を優しく包んでくれる。素顔のイタリアの魅力を美しいイラストとともに綴る一冊。
内容説明
情熱のパスタ、赤いフェラーリ、ヴェネツィアの幻想…。生活、食卓、季節、そして人々の素顔。不思議で愉快で愛すべきイタリアへの招待状。
目次
1 イタリアの幸せは、食卓にあり
2 イタリアの朝はカップチーノで始まる
3 ところ変われば、イタリア変わる
4 やっかいなイタリア、それでも憎めない
5 そして、イタリアへようこそ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
294
この人のイタリアン・エッセイは、小説を読んでいるかのような感興を読者のうちに引き起こすのだが、本書はそうした彼女独特のスタイルが確立する前に書かれたもののようだ。けっして悪くはないのだが、残念ながらまだ普通のエッセイ。したがって、内田洋子さんのものを読んだことがないという人にはお薦めしない。とはいっても、朝倉めぐみさんの絵もイタリアン・ムードに溢れているし、読んで楽しく、イタリア心を激しく刺激される一書である。書かれたのは、20年前だが古さは全く感じない。イタリアは20年くらいでは姿を変えはしないのだ。2017/01/01
KAZOO
93
内田さんのエッセイ集です。山本夏彦さんの主催する「室内」という雑誌に連載されたもので、朝倉めぐみさんのカラフルな絵とともに楽しませてくれます。とくに飲食に絡むものが多く、コーヒーやピッツァについても地方によってはかなり異なるようです。イタリア人の好きなコーヒーは本当に濃いエスプレッソにあるようです。また年寄りのイタリア人と列車で一緒になり著者に戦争はドイツ人抜きでやったら勝てた、といったのには笑ってしまいました。わたしがドイツにいたときには今度戦争するときにはイタリア人抜きでやろうと言ってましたから。2023/01/10
さと
72
虚飾に満ちたと言っては大袈裟だが、私たちが思い込んでいる‘イタリア’の舞台裏を余すところなく見せてくれた。実は全部バレているのだけれど、それも承知で「これがイタリア」と宣う面々が愛らしい。非難はするが否定はしない。まず、個人ありき。なにせ、魅力ある自分創りが人生のテーマ!私としては、申し分ない!(笑) 手のかかる子ほど可愛いと言うが、内田氏のイタリア愛は正にそんな感じ2018/08/03
どんぐり
66
食卓にパスタとピッツアにカップチーノ、シチリア・ナポリ・ミラノ・ヴェネツィアなどイタリアのおいしいところを観光案内風にサラリと紹介したエッセイ。刊行が1995年なので、これ以降に出版された内田さんの作品に比較すると、文章が平板なのはいたしかたないところ。ヴェネツィアングラス、ミラノの犯罪組織カモッラ、友人の愛犬が誘拐された事件などいくつかの話は、後続のエッセイ集でも読むことができる。2019/04/12
aisu
18
イタリアに住んで体験した事のエッセイ。いいことも悪いこともイタリア〜。一番印象に残ったのはパッラーディオの話です。挿絵など本の装丁もステキです。2017/01/12