内容説明
一橋徳川家の血を受け継ぎながら、開拓農民の道を選んだ女性の一代転身記。絹の布団の上ではつかめなかった開拓の喜び、苦労、そして出会った仲間たち…。自ら選びとった生き方の手触りを回想する。
目次
1 華族の家に生まれて
2 「女学生」から「若奥さま」へ
3 夫の欧州留学、そして戦争勃発
4 戦後、開拓民として生きる
感想・レビュー
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夜の女王
18
著者は徳川慶喜の孫で、池田侯爵家に生まれ一ツ橋徳川家に嫁いだ。子供の頃は庭で木登りして遊んだりとかなりなおてんばだったようだ。過日読んだ『徳川おてんば姫』を思い出した。家の躾は厳しく、生活は意外と質素。その辺りも今まで読んだ華族本と同じ。「使用人はあなたのお父様とお母様のお使い人で、あなた方が勝手に使う人はいません」と言う老女の言葉が重い。戦後、茨城県に移住。お米も炊いたことのない方が、40才も過ぎて、電気もない所で農地を一から開墾。そのバイタリティーは、今まで読んだ華族のお姫様の中でもピカ一だ!2019/01/11