内容説明
“私は魚が食べたかったのよ”ある日、妻は僕が可愛いがっていた熱帯魚を天ぷらにすると家出をした。―ファンタジーとミステリー、そして、料理小説と恋愛小説が、この1冊に。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おしゃべりメガネ
128
村上春樹さんの作風がお好きな方にはストライクな作品だと思います。読んでいて、何度も「春樹さん?」と思ってしまうほど春樹さんっぽい作風でした。原因がわからぬまま妻に家出されてしまった主人公(この時点で春樹さんっぽい)が、妻の連絡を待ちながら過ごす日常をファンタジーテイストかつ、ちょっとしたミステリーな感じで綴っています。父親の愛人だった「南」さんとは姉弟のような関係でつながりながら、妻の家出の原因を相談します。そんな時、妻の家出の原因が思わぬ方向から判明し、よりいっそう主人公を迷走させ、まさかの展開に。2019/04/25
メタボン
23
☆☆☆★ 再読。少しずつ言語遊戯から離れて、物語に寄り添いつつある。ただそのバランスが危うく、本作品は駄作の一歩手前でとどまっているという感じ。挿入されるコントがくだらないのは思い付きだけで書いているのか、わざとなのか?苦笑してしまう。東京タワーの展望台から眺めるブルーに沈んだ東京の描写と、家出した妻とは会わずにブルーの東京に沈んでいく僕のラストシーンが余韻があって良かった。2015/12/09
きのこ
5
僕と南さんの関係が奇妙なんだけどちょっとうらやましかった。 肉親じゃないのに本能的につながってる感じがして。 妻の家出後に発覚するショッキングな出来事も、どこかコミカルで面白い。 新井さんの描く男女関係ってどこかシュールさがあって好きです。 すっかりハマってます。2009/11/09
アツリン
2
救われない話…だと思ったけど最後に救われた。視点を変えること、とにかくやってみることが今いる環境から抜け出すことの第一歩なのかな、と思った。2017/09/11
みー
2
妻が家を出て追跡していく中で意外な一面を知っていく一方で冷めていく心境をユーモラスに綴っているところに作家さんの手腕を発揮されていると思いました。2015/05/05
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