内容説明
イラン、インド、中央アジア、中国、そして日本へ。ルーツをたどり、美の根源に徹底的に迫る。
目次
1 阿修羅はなぜ美しいのか?(阿修羅とは何か?;三面六臂という姿の美しさ;少年のような顔立ちのわけは?;上半身が裸なのはなぜ? ほか)
2 美の理想像、阿修羅と不空羂索観音(不空羂索観音像の魅力とは?;不空羂索観音とは何か?;東大寺の謎にみちた歴史;驚きの事実が!基壇の大発見 ほか)
著者等紹介
北進一[キタシンイチ]
1963年生まれ。和光大学人文学部芸術学科卒業。中国・山東大学留学。美術研究センター講師などおもに生涯教育の講座を担当。専門は中国仏教美術史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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m
9
奈良に行った折に記念に回した仏像フィギュアのガチャガチャ。そこで出てきたのが阿修羅像だった。それ以来何となく愛着が湧き、興福寺の本なども読んだがこれほどコアな本はなかなかないと思う(笑)興福寺阿修羅像と東大寺不空羂索観音像についてびっしり書かれている。前者の部分は興味があるので読めたが、後者は読んでも右から左に流れていく。阿修羅のモデルが光明皇后と聖武天皇の息子基皇子だったとは新説。単に私が知らなかっただけだけれど。全部読んだらかなり体力を消耗したので、しばらく仏像の本はお休みしよう。2015/10/04
yyrn
7
読みやすいトピックス本ばかり読んでないで、たまにしっかりとした骨太の本を読みなさいと偉そうなことを言ったバチが当たった。奈良で観た阿修羅像について、もう少し知りたいと思い、ポップな表紙に騙されて(お手軽本のつもりで読み始めたら)これがなんともヘビーな骨太本だった。うんと頭が疲れた。でも、阿修羅像を造らせた光明皇后の思いは伝わったし、インドから中国を経由してどんどん阿修羅像が洗練されてきた経緯も分かってスッキリした。あー興福寺の八部衆はカッコいいなあー。誰かこの8人が活躍するマンガでも描いてくれないかなー。2018/06/27
ラグエル
5
研究成果をポップでハイセンスに出してくるとか、ちょっと新しい。装丁や構成の勝利。新しさに好感が持てる。2015/12/15
noko
4
ファンが多い興福寺アシュラ像。アシュラはアスラ神に由来する。アスラ神はアーリア人が信じていた太陽神のアスラ族。アスラは降ろされて逆に人に害をもたらす神になった。インドでは仏陀や仏法を守る守護神。アンコールワットの乳海攪拌にもアスラがいる。アムリタを取り出すために引っ張っていて、アムリタを独占しようとするアスラとインドラが対決し負けて鬼神に。世界にアシュラの彫刻があるが、どれも鬼の様な姿か成人の顔で、興福寺のだけ少年。それは興福寺のアシュラ像にはモデルがいたから。いつの時代も子を思う親の気持ちは変わらない。2023/05/07
べあべあ
4
阿修羅もですが、八部衆のエキゾチックでミステリアスで来歴カオスなところが好きです。各ページでテーマを挙げて簡潔に説明してくれるので、とても理解しやすい構成の本でした。好き。2022/08/14