バロック論

バロック論

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  • サイズ A5判/ページ数 248p/高さ 22X15cm
  • 商品コード 9784568201383
  • NDC分類 702.05
  • Cコード C3070

内容説明

世紀末バルセローナにバロックの熱い血をもって生れたスペインの硯学が、西洋美術における醜悪さ・悪趣味さと蔑視されてきたバロックを、あらゆる時代と文明の根底に、古典主義と対立して存在する人間精神の常数として、はじめて正当に位置づけた名著。スペイン語原典による決定訳。

目次

年代記(チュリゲーラ;〈野蛮人〉;謝肉祭と四旬節;女性的世界;女性の敗北と勝利;失楽園;グラシアンの〈独学者〉;ロビンソンからゴーガンへ;岩山に住む孤独な女)
ポンティニーにおけるバロック論争(人体構造学と歴史;〈アイオーン〉;バロック;ポンティニーの十日間会議;バロックの本質=汎神論とダイナミズム;バロックの形態=多極性と連続性;バロック属の種;バロックの価値と将来)
旅行記(三人のフランス人画家を通してみた古典主義からバロックの推移;美術館と様式美術館;再びプラド美術館にて)
付 ポルトガル美術

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

あかふく

2
「常数」としてのバロック。バロックは繰り返し現れる。その繰り返しとはメンデルにおける「劣性要素」のような仕方でであり、一つの類型を示している。これが繰り返されることは週日における休日、祭(カーニヴァル)のような何らかの反発(あの理性の18世紀がなぜ植物園を作ったのか?)という意味で古典主義を再検討させるような機能を持っている。ケプラーがバロック天文学者だと言われるときにある楕円の重要性は、別の中心を周縁に作り出すことがこの機能の図示であるがためだろう。リンネにおける「パラドクサ」や原始性なども。2014/01/13

dilettante_k

0
原著43(仏版35)年。いち歴史的様式に過ぎなかったバロックを文化原型(アイオーン)に位置づけ、「歴史的常数」として古典主義に対置する。リンネの分類法に則して二名法(属種)を採ることにより原始的芸術~戦間期芸術まで幅広い分析レンジを確保し、それまで分断・画定されてきた美術史に横ぐしを通す。プッサン、ロラン、ヴァトーなど個別の画家においてさえ、古典主義とバロックの交感が見られることを明らかにする。著者の前後にフォションやホッケ、ブルトンら表象の共通分母を析出する動きが活発化していくが、その嚆矢と言える著作。2014/02/22

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