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内容説明
ヒーロニムス・ボッスは、絵画の歴史に新しいヴィジョンをもたらした、たぐいまれなる芸術家のうちのひとりである。彼の描き出した天国と地獄の幻想的なイメージは、中世から北方ヨーロッパの宗教改革の時代にかけて生きていた人びとの胸のうちに渦巻きざわめいていた幻影と神話を、まるで魔法のように呼び起こしたのである。この本に収められた40点のカラー図版のうちの多くは部分図版である。それは、何百という小さな人物像から成る彼の巨大な画面の中に読者を直接導き入れるためである。ドイツの優れた美術批評家、カール・リンフェルトが謎めいたイメージを解き明かしつつ、ボッスの驚異的な作品を理解するための手掛かりを与える。