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内容説明
美麗巻頭グラビア、豊富なカラー図版と充実した解説でたどる巨匠のすべて。
目次
黒田清輝の夢みたもの―“智・感・情”と日本絵画の行方
黒田清輝の画業と遺産
黒田清輝とフランス絵画
図版(フランスで画家になる―画業修学の時代1884~93;日本洋画の模索―白馬会の時代1893~1907;日本洋画のアカデミズム形成―文展・帝展の時代1907~24)
黒田記念館と黒田清輝研究の営み
資料1 秋田清輝書簡(1886年5月21日付黒田清綱宛)解説と翻刻
黒田清輝をとりまく諸団体と人物相関図
黒田清輝年譜
出品リスト
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Willie the Wildcat
58
3時代で語る半生。作品ごとの解説とともに、書簡の挿画群に記載された説明も一見の価値あり。第一章からは『落葉』。郷愁も滲む。第二章からは『昔語り』。西園寺公望との件を含めた経緯は特筆。消失したため下絵群ではあるが、大作の起点である『清閑寺門』を挙げたい。最後の第三章からはやはり『雲』。”趣味の問題感興”、納得です。本著にはミレーやモネなどの影響を受けた作品群も掲載。『サンジェルマンの森の下草』、何度見てもいいなぁ。[ヨーロッパでの足跡]、[取材の地]やコラムなども氏及び作品の理解を深めるのにもれなく一助。2023/12/17
みずのり
4
展覧会限定カバーで入手。今まで大規模な回顧展が無かった黒田清輝のことがよくわかる決定版だと思います!掲載されている作品を見ていくと表紙の「湖畔」は黒田清輝の中でもちょっと異質の作品であったのだろうことが見て取れます。貴族院の議員など政治家の側面が強くなり、画業は志半ばで亡くなられているようだったので、非常に残念。影響を受けたバルビゾン派を意識した作品はもっと見てみたかった。どの作品も想像より実際で見たら大きかったので、是非展覧会へ足を運んでほしいです…!!!2016/04/09
大臣ぐサン
3
明治という時代は徹底的な西洋化の時代であったのだが、絵画の世界も無関係ではない。最大の問題作である『智、感、情』は西洋の手法で日本の精神を表そうとした黒田の苦悩に観る者は圧倒される。黒田清輝が日本洋画界に及ぼした影響は大きく、明治の洋画界の巨匠であることに疑いはない。しかし、その回顧展に師であるコランやミレーの一級品を展示してしまっては、流石に黒田の絵画の稚拙さが強烈に印象付けられてしまう。それが開催者の意図したものであるのかは不明だが、黒田自身も草葉の陰で苦笑いをしていることだろう。2016/05/29