出版社内容情報
しんじられない。おばあちゃんにもう会えないなんて。ふたりで行ったところ、いっしょに作ったもの、思い出がこんなにいっぱいあるのに……。流れる川のようにすぎていく時間のなかで、やっと言えた「さようなら」。大切な人とわかれる気持ちを、キツネの男の子に託して、あたたかく、包みこむように描きます。自分自身も「おばあちゃんに伝えたいことがあった」というカナダの作家の文章を、人気画家の岡田千晶さんが、かぎりなく愛らしいイラストで飾りました。静かな感動をよぶ作品。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はる
76
優しい癒しの物語。ちょっと「わすれられないおくりもの」を思い出しました。亡くなってしまったおばあちゃん。でも、あの時ぼくは何も言えなかった……。おばあちゃんとの思い出を少しずつ振り返ったぼくは、おばあちゃんの死をようやく受け入れるようになります。岡田千晶さんの優しく美しい挿絵に引き込まれます。2024/01/21
yomineko@ヴィタリにゃん
68
大好きなおばあちゃんが逝ってしまったってママは言うけど、僕は信じたくない!だから探して、探して歩いたけどどこにもいない。僕はおばあちゃんに「大好きだよ」と言いたかった。でも今は「さようなら」おばあちゃんとの沢山の思い出を胸に。2024/04/07
鴨ミール
49
心にジワジワくる。大好きなおばあちゃんが死んでしまったこと。それをママから聞いても信じられないこと。探しても探しても見つからないおばあちゃん。川の流れを見て、雷にうたれて傷ついた木を見て、流れは止められないが、再生もしていくことに気がつく小ぎつね。絵が素敵。日本の方が描いたと思えなかったので驚きました。2024/01/29
たまきら
49
義父が亡くなった時の娘の反応を思い出しました。すごくムスッとして、色々なことを拒否して、最後にはすべての仏事を監視し、今では一番儀式にうるさい娘。彼女なりのお別れの作法や、義父への愛を感じたっけ。受け取り方って様々です。2023/12/24
わむう
32
カナダ作家の文章を絵本化。一緒にハイキングしたり、物を作ったりして過ごしたおばあちゃんが亡くなってしまう。最初は別れを受け入れられず、悲しみに暮れてばかりだが、おばあちゃんが残してくれた大切な思い出や幸せは、いつまでも覚えている。岡田さんの優しい絵がとてもあっていました。2024/04/25