感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
☆よいこ
84
伝記絵本。1941年12月第二次世界大戦がおこり、日系人は強制収容所へ入れられた。アメリカ西海岸の町、サンディエゴ市立図書館の司書、ブリード先生はその事に心を痛めた。自分宛の宛名を書き切手をはったハガキを子どもに渡す。子ども達とブリード先生の文通は続き、多くの子ども達の心を癒した。▽巻末に「アメリカにおける日系人の歴史」簡易年表あり。関連書籍『親愛なるブリードさま』『東洋おじさんのカメラ』『トパーズの日記』2020/09/13
kawa
53
太平洋戦争中に強制収容所に送られた日系の子供たちと、収容前に交流のあった図書館司書クララ・リードさんとの心温まる交流を描く絵本。子供たちに切手付き空ハガキを渡す発想が素晴らしいし、思って則行動に移すクララさんの行動力に頭が下がる。理屈より行動だね。それは常日頃、子供たちを気にかけていないと出来ないことだろう。正に人間力、綺麗ごとを言い募っている自分に出来ることだろうか。2020/11/21
yamatoshiuruhashi
51
読友さんレビューのご紹介による。日米開戦後、日系人は収容所(Relocation Center)に送られた。その子供たちと、子供たちが収容前に利用していた図書館の先生とのお話。絵本であるが、この内容を絵本を読む世代が理解できるか、どう受け止めるか。「米国における日系人」を「〇〇国における△△人」と立場を置き換えることで、非常に重たい課題を語り継ぐ人生の入門書と言えるのではないか。2020/11/26
chiaki
40
第二次世界大戦時、アメリカに居住する12万人の日系アメリカ人は、限られた荷物を手に立ち退き、荷物のように一人一人には札が付けられ、強制収容所へ送られた。その半分以上が子どもたちだったという中で、当時市立図書館の児童書担当の図書館員であったブリードさんは収容所の子どもたち宛に手紙や本をプレゼントしていた。先の見えない過酷な状況下、子どもたちにとってブリードさんからの贈り物は、あたたかな愛情そのもの、未来への希望の光そのものだっただろう。子どもたちの夢と希望の架け橋だった司書ブリードさんの愛に胸が熱くなった。2020/10/24
たまきら
39
日系アメリカ人の強制収容については、snow falling on cedarsをはじめ力強い小説やドキュメンタリーがあるけれど、これは初めて読みました。写真には胸が痛みましたが、どんな時代でも子供のきらきらした好奇心いっぱいの目はかわらないんだなあ、と思わずうっとりしました。2020/10/30