内容説明
フォックスさんといぬは、いつもいっしょ。あそぶのも、たべるのも、ねむるのも。いちばんのおきにいりは、はたけしごと。すばらしいにわで、なにもかもがすくすくそだつ。でもあるひ、かなしいことがおきて…―悲しみ、友情、希望、そして自然の力をゆたかにうたいあげる絵本。2019年のコールデコット賞オナーブック。
著者等紹介
リーズ,ブライアン[リーズ,ブライアン] [Lies,Brian]
1963年生まれのアメリカの絵本作家。『フォックスさんのにわ』で、2019年のコールデコット賞オナーブック(次点作)に選ばれている
せなあいこ[セナアイコ]
東京生まれ。同志社大学卒業。翻訳絵本多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
anne@灯れ松明の火
38
読友さんご紹介で、予約。表紙とタイトルからは想像しなかった内容だった。フォックスさんと犬は大の仲良し。そんなふたりにある日事件が……。ひっそりと閉じこもった背中や鍬を振り回すフォックスさんの表情から、気持ちが痛いほど伝わる。自暴自棄の彼を救うのは時の経過とおばけカボチャ? 「むかしと まったく おなじとは いえないにしても」また始めることができることを教えてくれる作品。2019/12/14
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
29
フォックスさんと犬は、どんな時も何をするのもいつも一緒。一番のお気に入りは畑仕事で、素晴らしい庭で楽しく過ごしてます。けれど、ある日犬が死んでしまい、フォックスさんは思い出深い庭をめちゃくちゃにしてしまいました…。命には限りがある、別れの辛さを乗り越えていくには時間が必要。フォックスさんもきちんと向き合って前を向けるようになったことが良かったです。ラストの新しい出会いに言葉はなく、絵だけで表現しているのが良かった。 就学前5~6歳頃 「協調性を育む」絵本2020/01/18
わむう
27
飼い犬と一心同体で暮らしてきたフォックスさん。一緒に庭仕事をする幸せな毎日が犬の死によって終わりを迎えます。心の支えを失ったフォックスさんは、やり場のない怒りを庭に向け、美しかった庭は荒れ放題に。そんなある日、庭にかぼちゃが成り、それを市場に売りに行ったことでフォックスさんの穏やかな日常がまた動き始めそうな予感が。フォックスさんの悲しみや怒りの表情がとてもリアルです。2019/12/13
ねなにょ
26
気の合うパートナーとの楽しい幸せな毎日が、ある日、突然、壊れてなくなってしまった。フォックスさんは、自暴自棄になり、思い出のつまった庭は荒れ放題。そんなある日、かぼちゃのツルが伸びてきて…。大切な人を失った経験のある人には、かなり刺さる絵本。時間が経つと哀しみや苦しみも少しずつカタチが変わって、また、新しいコトが始まる。絵がとてもキレイ。2021/07/22
ヒラP@ehon.gohon
20
最愛の「家族」を失った悲しみは、また新しい「家族」 を迎え入れることでしか癒されないのでしょうね。 フォックスさんのペットレスの日々が象徴的に描かれていて 胸を打ちます。 荒れ果てた庭に出てきたカボチャにも感動しました。 庭に埋めた生ゴミから勝手に芽を出す、カボチャやジャガイモ の生命力には驚かされます。 そのカボチャが、フォックスさんの空洞を埋めてくれましたね。 余韻の残るラストシーンが、とても素敵でした。2019/12/18