出版社内容情報
かあちゃんが大切に守っていたジャガイモ畑と息子たち。ところが戦争が起きて……かしこいかあちゃんの、たのもしい物語。かあちゃんが大切に守っていたジャガイモ畑と息子たち。ところが戦争が起きて……かしこいかあちゃんは、どうやって息子たちをとりもどしたでしょう。
アニタ・ローベルの、平和への願いにみちた絵本です。
アニタ・ローベル[アニタローベル]
著・文・その他
まつかわまゆみ[マツカワマユミ]
翻訳
内容説明
ジャガイモをつくって、ふたりのむすこをたいせつにそだてていたかあちゃん。でも、ある日、にいちゃんは、東の国の兵士になり、おとうとは西の国の兵士に…さて、かしこいかあちゃんは、どうやってむすこたちをとりもどしたでしょう?1967年にアメリカで刊行された作品が、カラー版になって再登場!アニタ・ローベルのかわることのない平和へのねがいをとどけます。
著者等紹介
ローベル,アニタ[ローベル,アニタ] [Lobel,Anita]
1934年ポーランドのクラクフに生まれる。10歳のとき、ナチスの侵攻により、強制収容所に送られるが、1945年に救出される。1952年、家族とともに渡米。のちにアーノルド・ローベルと結婚し、絵本の世界へ
まつかわまゆみ[マツカワマユミ]
翻訳家。英米の絵本や物語を中心に活躍中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はる
57
なかなか深いです。長年読まれてきた戦争の絵本。ジャガイモを作って二人の息子を育ててきた母ちゃん。だが子供たちは軍隊に憧れ、それぞれ東の国と西の国の兵士になってしまう…。強さに憧れ、欲しいものを手に入れるために憎しみ争う。母親視点の愚かな戦争の縮図。お母さんはきっと哀しい体験をしてきたに違いありません。クライマックスはちょっとナウシカ?お母さんの逞しさが格好いいです。2021/08/01
とよぽん
46
母は強し。争いごとが不毛であることを、母はよくわかっている。息子二人が敵対する軍に入って戦うけれど、兵士がひもじくては戦にならない。お腹を満たす食べ物があってこそ平和な世になる。作者はポーランドに生まれ、強制収容所に送られたが生還できた歴史の生き証人。2020/08/21
ベーグルグル (感想、本登録のみ)
43
表紙の絵で平和な畑仕事のお話かと思っていたら・・・とんでもなく全くの別物でした。戦争がテーマ。色々考えさせられます。2019/02/23
ヒラP@ehon.gohon
19
戦争から畑と子どもたちを守るために作った塀でした。 でも子どもたちは兵士に憧れて出ていってしまいました。 敵同志になった兄弟は何を見たでしょう。 人の生死と飢えを間近に見て苦しみ、同じジャガイモ畑を目指して新たな戦を交えることになりました。 些細なことで平和が維持できるとアニタ・ローベルは語っています。 平和があれば塀も要らない。 強制収容所を経験した彼女だから強く言えることかも知れません。2018/11/11
Cinejazz
16
〝むかし昔、二つの国がありました。東と西の二つの国の真ん中の谷で、二人の息子とジャガイモ畑を大切に育てる女の人が暮らしていました。 ところが、東と西との戦争で、兄は東の国の兵士になり、弟は西の国の兵士となって、家を出て行ってしまいました・・・〟ナチス強制収容所から生還した作者<アニタ・ロ-ベル>が、戦争の悲劇をみつめ、平和への願いを込めて描かれた名作絵本。2024/07/08