出版社内容情報
ネッドの母親は「魔女」。魔法を使っては、村人を助けてきた。ある日、ネッドは母親から魔法を「預かった」が、魔法をねらう者が現われ……。仔オオカミや山賊の娘に助けられながら人々を救い、自らも成長をとげてゆくネッドの物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ままこ
96
「だめな方の子」と言われる魔女の息子ネッドと現実主義な山賊の娘アインの家族愛と成長物語。使い方を誤ると大変なことになる“魔法”の誘惑にかられながらも使命を守る為勇敢に立ち向かっていく。いい意味で強かだったアインも良かったし狼の存在も心強かった。最終章にアインと一緒に現れたあの人はジブリに登場しそう。切ないプロローグから苦難を乗り越え繋がった希望に満ちたエピローグ。人間の弱さと強さが描かれた清々しい冒険ファンタジー。2019/10/19
ヨル
27
民に敬愛される魔女さんから「魔法」を託された魔女の「ダメな方の子」が山賊の娘と狼に助けられながら魔法を守る話。ファンタジーで気になるのは血族重視なところ。高貴な血とか魔女の血とか、確かに代々継承されたものはあるだろうけど、特別な人達が試練を乗り越えて世界平和を実現してくれるっていうのばかりだと、凡人の出る幕なくなるよなぁ。まあ実際、凡人は揚げ足取りの烏合の衆という認識で大まかは間違ってないんだろうけどね。凡人が世界を救うロマンあふれるファンタジーとか、そういう物語がそろそろ必要とされてるんじゃないかなぁ。2020/02/22
信兵衛
21
最後はネッドとアインの新たな旅立ちに、心からエールを贈りたい気持ち。2019/08/06
希咲(きさ)
7
子ども向けの児童書としては珍しく、"喪失"(親の死、子どもの死)について説くような作品。よくある魔法ものとは違い、魔法がまるで生き物のように描かれているのが面白くもあり、一方でわかりにくくもあり…(汗)主人公の男の子ネッドと山賊の娘アインの心の交流がもっと丁寧に描かれていたら、さらに物語にのめり込めていた気がするなぁ。2022/05/13
そらこ
7
壺の魔法を管理する魔女の一家。魔女は魔法を人々を助けるためだけに使った。だが双子の息子ネッドとタムが川でおぼれ、ネッドだけが助かった時、魔法でタムの霊をネッドの体内に入れた。ネッドは双子のだめな方の子と言われていた。魔女が留守時、魔法のペンダントを持つ山賊が魔法を盗みに来た。ネッドは魔法を守るため、勇気をだし行動する。森の9つの巨石が待ち望む救い主は、ネッドか。山賊の娘アインは敵か味方か。魔法が人間の欲を誘い争いを起こす。そこに絡む熱い親子愛、友情。人格を持つような魔法が斬新。巨大な石は神話に通じる。2019/10/03
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