内容説明
フィンチ家では、アフリカからの難民家族を一時あずかることになった。高校生のジャレッドは乗り気になれないが、妹のモプシーは大喜びで迎え入れようとしている。ところが、やってきた難民たちには恐ろしい秘密があった…。クリストファー賞受賞。
著者等紹介
クーニー,キャロライン・B.[クーニー,キャロラインB.][Cooney,Caroline B.]
1947年、アメリカのニューヨーク州に生まれ、コネティカット州で育つ。ティーン向けのミステリー、ホラー、ロマンスを中心に、75作以上もの作品を発表している。『闇のダイヤモンド』は、エドガー・アラン・ポー賞にノミネートされたほか、クリストファー賞を受賞
武富博子[タケトミヒロコ]
東京生まれ。幼少期にメルボルンとニューヨークで暮らす。上智大学法学部国際関係法学科卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ケイ
135
たくさんの人に読んで欲しいなと思う名作。アフリカからアメリカに向かう飛行機。そこには難民の家族4人ともう1人のアフリカ人。漂う緊張感。受け入れるのはコネチカットの、ある意味能天気ともいえる白人家族。ヤングアダルトの分野。字も大きく、10代から老人まで楽しみ、考え、感動できる作品だと思う。アメリカに着いてからも難民の向き合わねばならない問題がよくわかる。ミステリ仕立てにもなっていて、読み物としても申し分なく、今年のイチオシの一冊を既に見つけたような感触。「BOOKMARK」の中でオススメされていた一冊。2021/01/20
星落秋風五丈原
32
フィンチ家では教会のボランティアの一環として、アフリカからの難民家族を一時預かることになった。高校生のジャレッドは乗り気になれないが、妹のモプシーは大喜びで迎え入れようとしている。ところがやってきた難民たちには恐ろしい秘密があった。預かる家族側も4人、来る側も4人だが、家族それぞれに温度差があった。母親は自ら手を挙げただけあって、受け入れにも積極的。だが一方で、受け入れた事実を他者に向かってアピールしたい思いも強い。父親は積極的に意見を表明しない。どうせ家族の世話は母親がするものだと決め込んでいる。2022/08/10
つらら@道東民
31
アメリカの中流家庭の様子や、アフリカ難民の心情も丁寧に書かれているし、なかなかのハードボイルド作品に仕上がっています。特に口をきくことができないアレイクの心情や過去が、作品全体をピリリと引き締めていてお見事。アメリカのYA層の厚みを感じさせてくれました。子供だけに読ませるのはもったいないですよ。2014/01/09
かもめ通信
28
翻訳家の金原瑞人さんがお仲間と共にお薦めの海外文学や翻訳物の面白さを紹介するために創刊された小冊子「BOOKMARK」で取り上げられていた作品。アフリカ難民の家族を一時的に自宅に受け入れることになったアメリカのフィンチ一家。両親と息子と娘。家族構成は同じはずだが、アフリカからやってきたアマボ一家はかなり変わった家族だった。それは文化の違いなのか?それとも彼らが経験してきた辛い過去によるものなのか?それとも…?フィンチ家のジャレットはあれこれ探りを入れるがそこには思わぬ秘密と恐怖が潜んでいた?!2015/11/03
loanmeadime
20
図書館では児童書に分類されていますが、これは、大人が読んで十分に堪能できる一作だと思います。若い人を中心に読んでほしい気がします。トンデモな状態からキラキラしたアメリカにやって来た家族にはちびりそうに怖い同伴者がいました。マトゥとジャレッド、アレイクとモブシーの間に芽生えた友情というか兄弟愛が、粘り付くイヤーなものから家族を救います。2021/02/11