出版社内容情報
傑作ファンタジー『指輪物語』に先立つ、壮大な神話世界の集大成。従来〈上下巻〉だったものを一冊にまとめ、エルフ語の表記も発音に即し一部改訂。トールキンの手紙も収録。わかりやすく、読みやすくなった待望の〈新版〉。
内容説明
唯一なる神“エル”の天地創造、大宝玉“シルマリル”をめぐる争い、そして、不死のエルフ族と有限の命を持つ人間の創世期のドラマを、圧倒的スケールで描き出す。
著者等紹介
トールキン,J.R.R.[トールキン,J.R.R.][Tolkien,John Ronald Reuel]
1892~1973年。南アフリカのブルームフォンテンに生まれ、3歳のとき、イギリスのバーミンガムに移り住む。その年、南アフリカにとどまった父を亡くし、母も12歳のときに失う。苦学して、オックスフォード大学のエクセター・カレッジを卒業。第一次世界大戦に従軍後、リーズ大学教授を経て、1925年からオックスフォード大学教授。中世の英語学と文学を中心に講じた。代表作『指輪物語』(評論社)に先立つ物語として位置づけられる壮大な神話的・伝説的集大成『シルマリルの物語』は、彼の没後、息子のクリストファによってまとめられ、出版された
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
志田健治
9
読んだ…。だが、哀しいかな、ほとんど頭に入らなかった……。意地で文字を目に焼きつけたって感じです。これ、二周目でようやく楽しめるのかもしれません。その中でも「ベレンとルーシエンのこと」と「トゥーリン・トゥランバールのこと」はダイナミックで読みやすく、どちらも映画化したらさぞ面白いだろうなと思いました。映画「ホビット」の後も未来は明るい! それにしてもトールキンさんの頭の中はどうなっているのだろう。もはや物語ではなく史実ですもの。脳の中にもう一つの世界が確立していたのですね。すごすぎます。伝記も読みたい。2015/07/05
プレイメーカー
8
「指輪物語」が好きなのでこれも読みました。「指輪」ではあまり触れられていない中つ国第一紀の上のエルフ、ヴァラール、オーク、人間の出生がわかります。話には主人公はおらず、宝玉シルマリルを冥王モルゴスに奪われたノルドールエルフの悲劇の話がメインになります。 個人的にはエルフの悲劇(特にニアナイス・アルノイディアドの戦い)も心に残りましたが、人間のトゥーリン・トゥランバールの竜殺しの話は「オイディプス王」のようで本当に救いがなく切なくなりました。 悲劇メインの重たい話が多いですが「指輪」好きなら必読です。 2016/02/24
悠樹
7
初めて読むならまず「手紙は飛ばせ!」と声を大にして言いたい。指輪物語から来たなら「力の指輪と第3紀のこと」か「アカルラベース」から読みだした方が…と。「アイヌリンダレ」と「ヴァラクウェンタ」は最後でもいいし。神話・伝承・古英雄譚とかが好きならハマれる可能性は大。何十回読んでも新しい発見があるのは私の記憶力に問題があるんじゃないかと疑う今日この頃(爆)。私のオタク心にジャストフィットなので一生手放さない…どころか書き込みが多すぎて2冊目持ってる始末だしな…。……面白いですよ?2012/05/26
hiruhan
6
「指輪物語」を読んでいるときにはわからなかったけど、一口に「エルフ」っていってもいろいろあるっていうか、もうほとんど別種族といっていい三つに分かれていたのね。2013/10/28
Copper Kettle
5
映画「ロード・オブ・ザ・リング」が大好きなので、いつか原作を読もうと思っていますが、その前に作者のJ.R.Rトールキンがその前の時代の神話的世界を描いた本作を読んでみようと思って。 いや、楽しみましたよ、面白かったですよ。まさに神話であり歴史だよね。ただカタカナ表記の固有名詞が全く覚えられない。映画で馴染みの名前が出てくると嬉しいんだけど。地名なのか人の名前なのか、はたまた種族の名前なのか、ほとんど理解していません。だけど楽しく読んだ。また再読する.... のかなあ...2019/05/30