内容説明
恐ろしい闇の力を秘める黄金の指輪をめぐり、小さいホビツト族や魔法使い、妖精族たちの果てしない冒険と遍歴が始まる。数々の出会いと別れ、愛と裏切り、哀切な死。全てを呑み込み、空前の指輪大戦争へ―。世界中のヤングを熱狂させた、不滅の傑作ファンタジー。旧版の訳にさらに推敲を加え、新たに『追補編』を収録した「新版」です。トールキン生誕100年記念出版。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
R
27
指輪物語のエピローグとプロローグを含め、世界観全般を定義した本でした。物語の副読本といっても相違ない内容で、こと細かに設定が織り込まれたこの世界のなりたち、伝説や、挿話がいくつも描かれていて興味深く読めました。エルフ語についての記述が、古代の言語を探求する文章のようでもあり、発音や意味のとり方など細部のこだわりが楽しめます。アラゴルンやサムのその後がどうであったかが、さらりと読めるという点においてとても満足な一冊でしたが、好きな人にはこれが本編といえるほどの力があったように感じます。2017/07/08
antoinette
20
最近、本編そのものもきちんと読めておらず、「ヌメノールの王たち」からして入りこめない……と思いきや、「その時、北方から思いがけない援軍が現われ、ロヒアリムの角笛がはじめてゴンドールの国で聞かれたのである。青年王エオルがかれの率いる騎士たちとともに現われ――」でブワッ(´;ω;`)となった。ローハン愛。しかし教授による「翻訳」法則をすっかり忘れていてショックだった……共通語≠英語、ローハン語≠古英語。まさかサム/サムワイズが本当はBan/Banazirで、ホビットすら実際はKudukだなんてェェェ!?(続く2017/09/26
はる
19
図書館本。終わってみれば5月は、ほとんど中つ国をさまよっていたんだな。最終巻を読みながら、「わぁ~、教授は設定オタクだったんだ!」と叫んでしまった。そして、何年ぶりかに会った知人と「指輪物語」の話題で盛り上がってしまった。できれは、もっともっと年若い時に読めばよかったかも知れないが、王様80歳超え王子3000歳?だからまあ良いか。登場したものと読み手総てが旅の仲間になれるなんて!そしてまたいつか一緒に旅に出よう。2015/05/30
maimai
13
本編を読み返す回数が増すごとに、追補編をより深く楽しめるようになっていく。それにしても、全編読み終えてやはり今回も思ったのは、本編の敬体(ですます調)での叙述について。初読のときから感じていたが、やはり本文は常態で語られるべきものだと思う。どうも指輪ファンの同意は得られないようなのだけれど、これについてはどこかで一度まとめておこうと思っている。2017/05/24
Musa(ムサ)
10
ファンタジ小説の金字塔「指輪物語」その内容を補完する一冊。中つ国の歴史と使用される言語、キャラクタ達の生涯やそのキャラクタが属する一族について、といった本編にはあまり関係はないが、トールキンが創り上げた壮大な世界が垣間見える内容です。私には正直に言って言語を解説した部分はあまり理解できませんでしたが、キャラクタを掘り下げた部分はキャラクタのバックグラウンドや本編終了後の生涯が描かれておりその部分だけでも読んでよかったと思えるものでした。2022/02/22