内容説明
「ぼくはきみを待ってたんだよ」“光”の使者ウィルの前に現われた白髪の少年ブラァン。果たして彼は味方なのか?銀の眼を持つ犬カーヴァルに導かれ、ふたりはいにしえの魔法を秘めた山へ踏み入る…。
著者等紹介
クーパー,スーザン[クーパー,スーザン][Cooper,Susan]
1935年イギリス生まれ。ファンタジー作家。オックスフォード大学を卒業後、『ロンドン・サンデー・タイムズ』のジャーナリストとして活躍した。1963年にアメリカに移住。「闇の戦い」シリーズは代表作で、シリーズ中の『灰色の王』でニューベリー賞を、『光の六つのしるし』でボストングローブ・ホーンブック賞を受賞している
浅羽莢子[アサバサヤコ]
翻訳家。東京大学文学部卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Norico
11
シリーズ3作目。今回はウェールズ地方が舞台。白子でフクロウのような黄色い目のブラァン、銀の目のカーヴァルがカッコいい。ジョンが言うように、光にも非情な部分は多い。2021/07/11
りー
8
音楽。ブラァンの奏でる竪琴の音が初めて聞こえるシーン「音楽が母屋から、黄金の流れとなって溢れ出ていた。」この物語の重要な場面では、いつも音楽が響いている。その響きが読者を物語の深きへ誘うのだと改めて感じました。子どもの頃は風見る銀目の犬=カーヴァルを亡くしたブラァンの気持ちが分からなかったのですが、今は泣きたいほど分かる・・・歳はとってみるものです。ブラァンが自分の出生と立場を理解し、ウィルとの間にもはや対等な友情は戻らないのだ、というのも切なくて。子どもであろうと、運命は容赦しないのでした。2019/02/19
ヴェルナーの日記
6
本シリーズの3作目。大病を患ったウィルも、少しずつ病気も癒えて、療養をかねて叔母のいるウェールズに行くことになった。しかし、そこには闇の王の一人、『灰色の王』の支配下に置かれた場所であったのだ。この場所で最後にして最年少の『古老』であるウィルは、たった一人で絶大な力を持つ『灰色の王』と対峙しなければならない。そんなウィルの前にアルピノの少年ブラァンが現れる。彼は敵か、味方なのか、物語が進むにつれて、彼自身も知らぬ自身の正体が浮かび上がってくる。2014/09/02
綾乃
5
ウェールズ語といえば、会社員時代、工場がこのエリアにあり、赴任者が「道路標識とかもウェールズ語と英語の2言語表記だよ」と言っていたことを思い出しました。 "イギリス”ってひとくくりにできないですよね。(サッカーとかも別チームだし。)それにしても、ブラァンの素性は「そうきたか!」ですよ。いよいよ最終巻へ。2019/01/03
mayuri(Toli)
5
新しく登場した少年ブラァンも、なんと魅力的なことでしょうか。彼の正体(?)は割とすぐ想像がついてしまいますが、それでも胸震えるものがあります。 とにかくこのブラァンとウィルが魅力的で、あっという間に読み終えてしまいました。 しかしこのお話、あるいはシリーズ全体を覆う、えも言われぬ悲しみのようなものが、わたしはすごく心惹かれてしまいます。 カーヴァルを失ったブラァンの悲しみ、グウェンを失ったブラァンの父親の悲しみ・・・。様々な悲しみが本著には溢れています。そうして、そこがまたたまらなく良いのです。 2012/11/17