出版社内容情報
あたしと弟が疎開した谷間の村。そこでかいまみた、大人の世界と人生のさまざまな現実。思いあまったあたしは、ついに恐ろしいことをやってしまった―!多感な少女の揺れうごく心を、サスペンスいっぱいに描く。☆サンケイ児童出版文化賞受賞。※この書籍は特装版のためお届けに時間がかかります。(+1日程度)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
扉のこちら側
69
初読。2015年1185冊め。【89/G1000】第二次大戦時にウェールズへ疎開した少女が、30年後にその地を訪ねるところから物語が始まる。戦時中の田舎生活の美しい風景、意地悪な疎開先のおじさんや、おじさんの訳アリの親戚たちとの交流、その疎開生活の中での悲しみと幸せが物語の軸になっている。「一生のうち一番悪いことをやった」と子どもたちに語る彼女の秘密というサスペンス要素もあり。日本であまり知られていない作品のようで、もったいない。2015/12/06
MATHILDA&LEON
27
【英ガーディアン紙が選ぶ必読小説49/1000】第二次世界大戦で、ウェールズの片田舎に疎開した姉弟の物語。知らない大人と生活する緊張感、森の奥に住む優しいおばさんとの時間。戦争の事は何一つ書かれていないが、それを連想するものがいろんなところに描かれている。児童文学として出版されているが、大人も勿論楽しむことができる。ラストは読者の想像を膨らませる終わり方になっていて、私は良い方に考えた。こうであってほしい、という願いから。2018/04/19