内容説明
ぼくは病院のベッドの上。チューブにつながれ、目を閉じて、じっとしているだけ。どうやら、半分死にかけているということらしい。ところが、ぼくの耳は聞こえるし、頭の中では目ざめている。「目をさまして、ロビー。お願い」と、母さんの声。そうしようとしてるんだよ、母さん。でも、できない―。もっと、ぼくに話しかけてよ。前みたいに、ぼくに話しかけてほしいんだ。
著者等紹介
モーパーゴ,マイケル[モーパーゴ,マイケル][Morpurgo,Michael]
1943年、イギリスのハートフォード州生まれ。ロンドン大学キングズ・カレッジ卒業。小学校教師を経て作家となり、とりわけ児童文学作品を数多く発表。この分野で、現代イギリスを代表する作家としての地位を確立している
フォアマン,マイケル[フォアマン,マイケル][Foreman,Michael]
1938年、イギリスのサフォーク州生まれ。王立美術学校で学んだのち、絵本作家、イラストレーターとして活躍。挿画も多く手がけ、1982年、89年の2度、ケイト・グリーナウェイ賞を受賞している
佐藤見果夢[サトウミカム]
1951年、神奈川県生まれ。明治大学文学部卒業。公立図書館に勤務ののち、絵本や児童文学の翻訳にたずさわる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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遠い日
6
原題は「COOL!」。交通事故により意識不明となったと思われているロビー。彼の体に反応はなく、意識を外に向けて表すこともできない。だが、ロビーの精神はちゃんと活動し、意志も希望もある状態だ。目覚めることのできないジレンマ。家族の傷や友情のありがたさに、悲しんだり喜んだり、ロビーの内面が浮き彫りにされていく。周囲の人の協力も尋常ではない。生きる意志を持ちながら横たわるロビーにはらはらしつつも、最後は家族の強い希望が通じる。クール!みんなが心を一つにしたからこその、回復に快哉。奇跡は起こすことができるのだ。2013/10/22
あられ
4
昏睡状態の家族がいたら、そばで起こっていることを実は全部わかっていると思いたい こうあればいい 本当にそう思う 2022/06/25
ネズミ
3
[再読]確か初めて読んだのは小学生の時。本屋で見つけてどうしても読みたくて。その頃はまだお小遣いをもらっていなかったから親に買ってもらうしかなくて、お願いしたけど買ってもらえなくて…けっきょく本屋で立ち読みして読み終わっちゃった。そしてこの前ブックオフで見つけて、懐かしくてつい購入。2016/03/12
psy
1
追っかけたい作家さんの作品。久々〜2008/11/18
ようこ
1
周りからみると意識のないロビーが負っていたのは体の傷ではなく心の傷だった。読んだ後にさわやかな感動がある。2008/10/27