出版社内容情報
電気も水道もひかず、18世紀の暮らしを今も守るアーミッシュ宗派の村。厳しく温かい両親に見守られ、悩みつつも“本物のアーミッシュ”になろうと努力する少女ケティの物語。人間の誇りに支えられたアーミッシュの生き方が、さわやかな感動をよぶ。 小学校中学年~
内容説明
18世紀の暮しを今も守るアーミッシュ宗派の村。大地とともに生きる、少女ケティと家族たちの簡素で素朴な物語を通し、現代社会が見失った、真の人間らしさを伝える。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ネギっ子gen
31
物語の舞台はアメリカ・ペンシルヴァニア州の農場。主人公はもうすぐ12歳になる女の子・ケイティ。アーミッシュの一家を通してその暮らしぶりを知る入門書にもなりそう。アーミッシュとは、新約聖書に示されている平和主義を厳密に守ろうとするキリスト教の宗派。その教えに従い、ケイティ一家は電気も引かず、車も持たず、ラジオも聴かず、流行の音楽も聴かず、華美な服装を嫌い、赤い色の服など一生着ないなど、あらゆる欲望を抑制して簡素に暮らしているが、その彼らにも現代文明の誘惑は襲う。その代名詞が、本作のラジオ騒動になるわけか。⇒2021/10/29
ジュースの素
6
キリスト教の1宗派のアーミッシュはここまで禁欲的な暮らしを求められるのかと驚いた。悪魔の持ち物だと言われるラジオを兄が隠し持っていた事での一家の動揺は凄いものだった。年頃の少女にとって、禁止されている赤い服やアクセサリーへの憧れは切ない程だ。20年も前の本だが、今はどうなんだろう。2015/02/09
菱沼
3
少し前にスティーブン・キングの『回想のビュイック8』を再読し、キングには珍しく舞台がメイン州でなくペンシルヴェニアだったことに気づいた。作中にアーミッシュに触れた部分もあり、もっと知りたいと思っていた。この物語は、主人公ケティの気持と家族が細やかに描かれている。けれど、14才までしか受けられない教育というのはどうなんだろう。知識と選択肢があっての自分の生活なのではないかとも思う。読後、ネットでアーミッシュをさらに調べて、スマホを見るアーミッシュ女性の写真を見つけ、安堵に似た気持を覚えた。2018/05/01
バーベナ
3
兄弟間でのラジオを巡っての逡巡や、自分と違う宗派の友達とのつきあいのかなで、アーミッシュという生き方を自覚していくケティ。アーミッシュの実際の暮らし、タイムスケジュールも少しだけのぞくことができる。2015/01/18
tuuli
3
今の時代には無い、何処か自分の子供の頃を少し思い出す様な、懐かしい暮らしがこのお話の中に有った。「純朴」「真面目」と言う言葉が合う様に思う。 世の中には知らない方が良い事も多々有るけれど、知る権利も有ると思う。 彼らの生き方全てに共感、理解できる訳ではないが、今、同じ時代に生き暮らしている自分の生き方はこれでいいのか?と、考えさせられた。生き方にひとつの決まった答え(正解)は無いのだけれど。何処かに憧れる部分、否定したい部分があり、まだもやもやしている。もう少しアーミッシュについて本を読んでみたいと思う。2013/07/13