出版社内容情報
私は、時の旅人。20世紀に生きる私は、16世紀と現代が隣り合わせに時をきざむ古い農園で、当時の人々と時をすごし、スコットランド女王メアリーの運命を、バビントン家の滅亡を、かいまみた…! イングランドの歴史をひもとく、美しくも哀切なファンタジー。 小学校高学年~
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
maja
18
病気療養のためにダービシャーのサッカーズ農園へ転地した少女ペネロピー。そこは、かつてスコットランド女王のメアリー擁立を企てたとして歴史に名を残す、16世紀のイングランドの青年貴族の荘園だった。過去にタイムスリップする都度、破滅へ向かって進んでいくバビントン一族の運命に寄り添い、少女は並走して彼らの非運をいたむ。裏表紙の日時計の銘がいい。甘すぎることも切なすぎることもなく、ただ慈しみに満ちた作品で何度となく読み返したくなる。「評論社」と「岩波少年文庫」でジュニア小説を再読。 2026/07/12
algon
8
12歳の少女ペネロペが大叔父の住むサッカーズ農園で16世紀イングランドと現代を行き来する。500年前イングランド、エリザベス1世の時代、幽閉されていたスコットランド女王メアリーを救出しようとサッカーズ農園を支配していたアントニーは苦悩していた。その時代の農園にペネロペは時を越えて迷い込む。時空のドアを行き来しながら事態は次第に緊迫していく…。年号暗記ほぼゼロで高校を終えた私は歴史感覚が幼稚だがこのメアリー女王の史実は知っていたので面白く読めた。借りてびっくりのjr小説だったが農園愛が溢れていて良書だった。2023/03/03
椿子
8
児童小説であり、少女の成長小説でもあり、歴史小説でもある、というとても良質なファンタジー。特に別の時代に行く瞬間の描写がとても好き。雪のしんしんとした静けさも表現できていてうっとりしてしまう。主人公ペネロピーが出会う人たちが、歴史上では処刑されているというショッキングな出来事もあるので、歴史は変えられないなかでその人たちと交流し仲良くなるという切ない物語でもある。とても良い小説でした…。評論社版が訳が雰囲気があってお勧め。2014/02/15
ムーミン2号
7
主人公の少女の名はペネロピー。12歳から17歳にかけての物語。彼女は自然と320年もの昔と行き来できてしまう(本人の意思で行きたい時に行けるわけではない)。そういうタイム・トラベル・ファンタジーの傑作とされる児童文学だ。傑作というにはそれなりの理由があるはずで、そこらあたりをhttp://www.honzuki.jp/book/266461/review/207383/ に書いてみた。ワタシは少女の成長を描いた物語と読んだ。2018/07/02
belle
6
~みどりの袖の少女~の「あの人たちはだれなの?」の問いかけに呼ばれて、またこの物語を開いた。初読は遥かに遠く。慰め。信頼。熱情。不安。期待。デュエット。甘い思い出…。読み終えて余韻に浸っていたら、これらの言葉が次々に連想された不思議。あらっ、メンデルスゾーンの無言歌集だわ。少女と私の思いがピアノの曲名と重なった。そして読むたびに「グリーンスリーブス」の哀切な響きに胸がいっぱいになる。雪の降る場面が愛おしく、蒸し暑い現実の日々に純白のカサブランカを飾った。スコットランド女王メアリーは白い肌の美しい人だった。2020/07/07




