児童図書館・文学の部屋<br> ヒトラーにぬすまれたももいろうさぎ

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ヒトラーにぬすまれたももいろうさぎ

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  • サイズ A5判/ページ数 303p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784566012011
  • NDC分類 K943
  • Cコード C8097

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

Willie the Wildcat

84
先日映画を観賞し、今一つ腹に落ちなかった点があったため原著を手に取る。最大の謎は、本にも未記載?!う~ん、監督の意図は、何だったのだろう。映画との差異という意味では、〆の”オチ”もどちらかと言えば、私は原著の方が好みかな。もう1点挙げるなら、滞在先のスイスを訪れた(映画には登場しない)祖母が口にした「強制収容所」の話が、アンナに齎した変化の件も印象的。運命の受容であり、大人への一歩、という感。一方、映画でも描写されたアンナ10歳の誕生日の父との船上での”20分”の会話は、やはり家族愛に溢れて温かい。2020/12/19

天の川

55
自伝的小説。ナチ党が選挙に勝利した1932年に亡命したユダヤ人一家の3年間。ベルリン→スイスの避暑地→パリ。素早く行動に移せたのは、評論家の父がヒトラーに目をつけられていたから。信念を曲げず世事に疎い父、芸術家で家事の苦手な母、思春期を迎えつつある兄マックス、前向きに環境に順応する幼いアンナ。激変する生活環境、ユダヤ人差別の激化、生活困窮…それぞれの立場で立ち向かう家族の愛情深い姿に静かな感銘を覚えた。家族はイギリスへの足掛かりをつかむが、この亡命が5年遅ければ…多くの人々が直面した悲劇を思い震撼とする。2025/02/13

みーなんきー

17
銀座のシネスイッチ で公開していた映画をきっかけに読んでみた。ヒトラーが総督に選ばれた時代のドイツから亡命しスイス、フランス、イギリスと移動する親子と、その親戚や社会情勢からもたらされる影響が同時並行に描かれる。主人公アンナはまだ小さいので直接の被害は無いが、それでも言葉の異なる国への生活圏の移動は楽ではない。お父さんお母さんの嘆きや様子から子供心に胸を痛める様子なども、よく伝わってきた。2020/12/18

長くつしたのピッピ

14
「おちゃのじかんにきたとら」の著者の自伝的作品。ユダヤ人である著者家族は、ヒトラーの迫害を恐れ、早々に亡命者となる。収入が乏しくなり、スイス、フランスと亡命していく親の心情は想像できるが、子ども達がどこの土地でも健気に困難に立ち向かう姿が清々しい。読んでいて大人である自分と子供であった自分がいて、どちらも共感できる不思議な読書体験だった。当時の外国の様子もわかり大人にもおすすめの一冊。2019/12/01

那由田 忠

14
Kindle英語版で読んだ。著者最初の作品。ナチスに睨まれた父親がドイツから逃れてフランスで貧しい生活を送る話。子供の生活しか書かれていないが、ナチスの暴政が進んでいく様子が伺える。「緊張感の乏しい話」と述べる日本の評論家の感覚に驚いた。父は命からがら逃れた状況が見えていない。パリで2年過ごしてからイギリスに渡るが、そこでイギリス人の様子が具体的に描写されるのが印象的だ。ドイツ人もフランス人もそこまでの描写がないのは、著者に当時の記憶がないからだろう。欠点とは言えないが。2016/04/08

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