出版社内容情報
二千年前のケルトの世界。ローマ人の襲撃から部落を守るため、防御のための完璧な石の砦を考案した若者コルをめぐる、愛と冒険の物語。 ●カーネギー賞受賞作品 小学校高学年~
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アオイトリ
15
河合隼雄のお勧め)スコットランド オークニー諸島に現存する新石器時代の遺跡。建築に関する知識も技術もまだ無かった時代にどうやって築くことができたのだろう!驚嘆の石の砦だ。古代ケルトを舞台に権力とは、人智を超えた巡り合わせとはを描く歴史小説。硬い翻訳文で読み進むに時間がかかったが、心に残る良書でした。古代史ファンにお勧め。2022/01/09
はる
12
図書館本。石で夢を築くものあり、権力を追い求めるものあり、神々のそばで暮らし神々の声を伝えるものあり、奴隷を求めて侵略してくるものあり…ほんにあんまり人間の暮らしは変わってなかったりするのだろうか。若者たちもさることながら、老ドルイドのドムナルがなかなか。神の傍仕えは困難と努力!らしい。良い本なのだが、なかなか手にとってもらえなさそうなのが辛い。2017/10/11
koke
9
スコットランドに実際に存在するブロッホという遺跡から発想を得た物語です。どのように思い付き、建築されたのかというのが組み込まれながらも、部族間の政治など緊張感のあるストーリーで思いのほか楽しめました。河合隼雄『子どもの本を読む』にて紹介。2023/06/23
HISA
5
☆☆☆☆1974年カーネギー賞受賞作。ブロッホと呼ばれるスコットランド北部の砦を題材にした2000年ほど前のローマ軍の遠征の頃のお話。おもしろかったー!サトクリフに似ている気がした。一昔前の児童文学は本当に力がある!文章の密度が濃い!人間性の描写が的確で巧み。忘れ去られるには余りに惜しい本です。2021/10/12
DERIA
5
力があってこその古代ケルトにおいて足に障害を持つコルが、知恵でローマ軍を防ぐ砦を考え形にし、愛する人と結ばれる。そこに至るまでの族長間、ドルイドとの駆け引きがシビアに描かれている。この時代の宗教観が正確に書かれていておもしろかった。児童書とは思えない出来。ブロッホを実際見てみたい。2016/03/14