出版社内容情報
魔術師の弟子フンボルト、陽気で気はいいが、とってもなまけもの。ある日魔術師は、仕事を山ほどいいつけて出かけた。フンボルトは、〈魔法の本〉をこっそりのぞき、ほうきに魔法をかけて仕事をさせようと思いついたが…? 国際アンデルセン賞受賞作家のダイナミックな絵本。 小学校低学年~
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
288
文のバーバラ・ヘイズンは本書以外にはこれといった情報がない。名前からするとイギリス人か。絵のトミー・ウンゲラーは国際アンデルセン賞を受賞している絵本画家。生まれはストラスブールなので、ライン川のすぐそば。やはり本書の値打ちは絵。見開きはエッシャーのだまし絵風。お城もライン川の風情もすっかりドイツ風。魔法師と弟子もまたそうだ。技法はよくわからないが、見たところは細いマジックで線描きされ、太いマジックで彩色されているようだ。青、緑、赤、黄色といった原色が鮮やか。エキゾティック、かつ楽しい絵本だ。2023/11/26
☆よいこ
76
絵本。魔術師はライン川を見下ろす城に住んでいる。ある日魔術師が出かけたすきに、弟子フンボルトが魔法の本を盗み見た。フンボルトは呪文を唱えて、古いほうきに水汲みの仕事をさせた。フンボルトがサボって遊んでいる間に、古いほうきは水を溢れさせる。止めようと呪文をとなえるが上手くいかない。斧でほうきを叩き割ると、欠片たちがまた水を運んできた。たいへんたいへん▽トミー・ウンゲラーの絵がいい。2022/06/26
ケ・セラ・セラ
29
トミー・ウンゲラーの、怪しげなものがいっぱいの絵が楽しい。魔法使いが出掛けているあいだに、弟子が盗み見た魔法を使って楽をしようとしたら大変なことに…!これはワクワクドキドキハラハラ、手に汗握る展開です。ディズニーアニメ『ファンタジア』の『魔法使いの弟子』を思い出しました。2022/09/26
たまきら
23
娘さん再読。ゼラルダちゃんにまたおののいておられました。彼女もものぐさなので、弟子とリンクするらしい。…てことは後ろのあの黒い影は…わたし?2020/09/18
Cinejazz
21
〝魔術師は、ライン川を見下ろす丘の上の城に住んでいた。地下室には、魔法の粉や薬の原料、実験用装置などが隠されてた。中でも、ずば抜けて重要なのが「魔術用語及び呪文大全」という、魔術師の秘密のすべて(魔法・呪文・儀式の方法など)が記録された皮表紙の本が厳重に保管されていた。さて、魔術師になりたい<フンボルト>という弟子が、雑用仕事を嫌々ながら下働きを続けていた。ある日、魔女や魔法使いたちが、あまねく秘密会議に集まる会合に出席することになった魔術師が、フンボルトに山のような仕事を言いつけて出かけて行った。この↓2025/07/11